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2年連続首位打者の内野手をトレードで獲得し、パドレスはどこを守らせるのか。内野に空きはなし!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルイス・アライズ Apr 24, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスは、マイアミ・マーリンズからルイス・アライズを獲得するようだ。ESPNのジェフ・パッサンが最初に報じ、他のライターたちも続いている。交換に、パドレスは若手4人を手放すという。

 アライズは、過去2シーズンとも、首位打者を獲得している。2022年はミネソタ・ツインズで打率.316、2023年はマーリンズで打率.354。それぞれの出塁率は.375と.393だ。ホームランは8本と10本ながら、31本と30本の二塁打を打っている。

 今シーズンは、ここまで、打率.299と出塁率.347、0本塁打と8二塁打。開幕から9試合に出場した時点では、打率.194と出塁率.310だったが、その後の24試合は、打率.337と出塁率.362を記録している。FAになるのは、2025年のオフだ。

 アライズは、内野4ポジションとレフトの守備についたことがある。ただ、昨シーズンと今シーズンは、2ポジションのみ。二塁が計1405.0イニングと一塁が計99.0イニングだ。その前の2022年は、一塁が529.0イニングと二塁が277.2イニングに、三塁が40.2イニングだった。

 パドレスの内野は、一塁がジェイク・クローネンワース、二塁がザンダー・ボガーツ、遊撃がハソン・キム、三塁はマニー・マチャドが基本だ。マチャドは、昨年10月に右肘の手術を受け、DHとして開幕を迎えたが、先月26日に三塁手としてシーズン初出場。そこからの出場は、三塁とDHが半々だが、今後は三塁が増えていくと思われる。

 パドレスは、アライズをDHとして起用するつもりなのかもしれない。マチャドが三塁に完全復帰となれば、DHは空く。

 あるいは、ボガーツに代え、アライズに二塁を守らせることも考えられる。

 内野の4人中3人は、少なくとも4本のホームランを打っている。ボガーツのホームランは、彼らの半数以下。4月8日と21日の各1本に過ぎない。また、ボガーツの出塁率.281は、ポジションを問わず、パドレスで40打席以上の11人のなかで最も低い。OPS.572も11番目だ。

 もっとも、アライズが二塁を守っても、ボガーツは控えに回ることなく、DHとして出場するのではないだろうか。

 パドレスがボガーツと交わしている11年2億8000万ドルの契約は、2年目を迎えたところだ。見切りをつけるのは早すぎる――残りの金額も多すぎる――し、今シーズンの不振も、サンプル数はまだ少ない。ちなみに、昨シーズンの出塁率とOPSは、2018以降の6シーズン中ワーストとはいえ、それでも.350と.790を記録した。

 一方、予想よりかなり早いが、マーリンズのアライズ放出は、ファイヤー・セールの幕開けを予感させる。それについては、先月初旬にこちらで書いた。

「開幕8連敗に、出遅れの先発投手は全休が決まる。夏のトレード市場で「売り手」は確定!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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