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開幕8連敗に、出遅れの先発投手は全休が決まる。夏のトレード市場で「売り手」は確定!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ユーリー・ペレス(マイアミ・マーリンズ)Sep 14, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月4日、ニューヨーク・メッツは、ダブルヘッダーの1試合目に黒星を喫し、2試合目も1点ビハインドで9回裏を迎えた。だが、そこからサヨナラ勝ちを収め、開幕からの連敗を5で止めた。一方、メッツと対戦したデトロイト・タイガースは、開幕からの連勝が5で途切れた。

 タイガースの黒星により、開幕から全勝のチームはなくなったが、メッツが白星を挙げても、開幕から全敗のチームはまだある。マイアミ・マーリンズは、開幕8試合目の4月4日に8敗目を喫した。7回表を終えた時点では、5対3とリードしていたものの、7回裏に5点を取られた。

 マーリンズでは、開幕前から、多くの先発投手が離脱している。それについては、先月半ばにこちらで書いた。

「このチームは開幕前にローテーション崩壊!? 前年に先発15登板以上の5人中4人が怪我に見舞われる」

 そのうちの一人、ユーリー・ペレスは、全休が確定した。マイアミ・ヘラルドのジョーダン・マクファーソンやMLB.comのクリスティーナ・デニコラらによると、編成責任者のピーター・ベンディックスは、4月4日の試合前に、ペレスがトミー・ジョン手術を受けることになった、と語ったという。

 ペレスは、昨年5月にメジャーデビューし、先発19登板の91.1イニングで奪三振率10.64と与四球率3.05、防御率3.15を記録した。それまでは、トップ・プロスペクトと目されていた。

 エースのサンディ・アルカンタラも、昨年10月に受けたトミー・ジョン手術により、今シーズンは投げることができない。

 1903年以降、開幕から8連敗以上は、見落としがなければ、今シーズンのマーリンズが21チーム目だ。これまでの20チーム中、シーズン勝率.500以上を記録したのは、1983年のヒューストン・アストロズしかない。

 41年前のアストロズは、ナ・リーグ西地区の3位に位置した。地区首位とは6ゲーム差。当時は2地区制で、ワイルドカードはなかった。

筆者作成
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 このままいくと、マーリンズは、夏のトレード市場で売り手に回るだろう。

 一塁手のジョシュ・ベル、遊撃手のティム・アンダーソン、リリーフ投手のタナー・スコットは、今シーズンが終わるとFAになる。二塁手のルイス・アライズは、2025年のオフにFA。また、先発投手のヘスス・ルザードがFAになるのは2026年のオフだが、こちらも、トレードの可能性はありそうだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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