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マンションは「青田売り」から「竣工売り」へ 購入者の注目ポイントはどう変わる?

櫻井幸雄住宅評論家
販売センターで模型を見せる売り方から、実物を見せて売るマンションが増加。筆者撮影

 日本では、昭和時代から分譲マンションは青田売りされるものだった。

 建物ができあがる前に、完成予想図や模型、モデルルームを見て購入を決める方式が青田売り。稲が実る前、青田の状態で先買いする「青田買い」から派生した不動産用語だ。

 この「マンション青田売り」は、世界的にみるとレアな方式。というか、日本独自の方式とされている。

 欧米でも、中国、韓国でもマンションは建物ができてから販売を開始する……といっても、建物が完全にできてから売るのではなく、建物の骨格ができたところで、一旦工事を中断。住戸内は部屋分けも内装工事も、設備設置も行わない段階で販売を実施する「スケルトン販売」の方式になっている。

 スケルトン販売では、住戸内の工事を購入者が行う。自分の好きな間取り、設備仕様を、好きな業者に工事依頼するわけだ。

 このスケルトン販売は、非常に手間がかかる。欧米のように中古取引が主体で新築マンション販売が少ない国では、手間をかけることもできる。が、新築マンション販売が多い日本ではまだ無理だ。

 日本では、近年、青田売りが減っている。かといって、スケルトン売りが出ているわけでもない。では、何が増えているのかというと、竣工売り。完成した建物を見せて販売を行う方式が増えている。

 青田売りから販売を始め、竣工売りまで続ける方式が大半だが、なかには建物が完成するまで販売を行わず、建物が完成してから、実物の建物、実際の住戸内を見せて、販売を行うこともある。

 「日本のマンションは青田売りされる」というのは、もはや過去の話。いまは、竣工売りのケースが増えているのだ。

 その竣工売りにおいて、購入検討者は青田売りとは異なる点に注目している。竣工売りならではの注目ポイントを解説したい。

なるほど、そこを見るのか

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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