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愛子さま大学ご卒業にあたって 定番の質問「結婚について」にどう答えるのだろうか?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
天皇誕生日一般参賀に出席された愛子さま(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

今月下旬、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが学習院大学を卒業し、社会人として歩みだす節目を迎えられる。これに際して、愛子さまは記者からの質問に対して自らの思いを出されることだろう。

これまでも皇室の方々は、大学卒業時の節目において、ご自分の気持ちを記者会見で述べたり、文書回答として出されたりしてきた。

そのお言葉は、社会人として第一歩を踏み出すことへの抱負にあふれていたが、それ以外に記者からの定番の質問となっていたのが「結婚について」。年頃でもあり、また今後遠からず「結婚」は、現実のこととして考えるようになるはずなので、このテーマは必須のようになっていた。

今回もおそらく記者からは「結婚について」の質問が出されるだろう。果たして愛子さまはどんなお答えをされるのか、過去の皇室の方々のお言葉から探ってみたい。

◆ユーモアを交えた天皇家の方々

平成の時代、両陛下(現上皇ご夫妻)の娘という、今の愛子さまと同じ立場だった黒田清子さん(当時、紀宮さま)は、学習院大学を卒業するにあたっての記者会見で、このように答えている。

「一生の中で内親王という立場である期間を与えられましたことは、私にとって大変大きなことであり、その期間を大切に過ごしていきたいと思っております」(平成4年、紀宮さま大学卒業にあたっての記者会見より)

皇室に生まれた女性は、結婚すると皇室を離れることになる。いずれ結婚してその日がやって来るまでは、内親王として精いっぱい公務を果たし、一生懸命にご両親を支えていきたいと語り、結婚については、機知に富んだこんな受け答えをされた。

「心を動かされる男性につきましては、『先輩』の言葉にしたがって、そのようなことがあったかもしれないし、なかったかもしれないとしか今は申し上げられません」(平成4年、紀宮さま大学卒業にあたっての記者会見より)

ここで話した『先輩』とは、兄である天皇陛下のこと。実は以前の記者会見で陛下は「この1年間に理想の女性と巡り合われましたか?」と質問され、「かもしれませんし、会わないかもしれません」と答えられたため、清子さんはそのセリフを真似て答えたのだ。

(黒田清子さん(写真:代表撮影/Fujifotos/アフロ)
(黒田清子さん(写真:代表撮影/Fujifotos/アフロ)

秋篠宮さまも大学卒業に際しての記者会見で、ユーモアを交えて話された場面があった。それは、兄である陛下(当時、浩宮さま)より先に結婚する可能性はあるのか、質問された時だった。

「浩宮が永遠に意中の人が現れずにいれば、先に結婚しなければしょうがないですね」(昭和63年、秋篠宮さま大学卒業を前にした記者会見より)

とおっしゃり、記者たちの笑いを誘っていた。当時、すでに一学年後輩の紀子さまと交際され、プロポーズも済ませていたので、実感のこもった発言だったのだろう。

◆結婚は私的な問題だから……

秋篠宮ご夫妻の長女・小室眞子さんは、国際基督教大学ご卒業に際しての文書回答で、「結婚について」こんな回答を寄せている。

「結婚の時期に関しましては、遅すぎず早すぎず出来れば良いと思っております(中略)理想の男性像というと本人の中で普遍性のあるものでなくてはいけないと思いますが、自分の中にそのようなものがありませんので、お答えすることが出来ません」(平成26年、眞子さま国際基督教大学ご卒業に際しての文書回答より)

「普遍的な理想像はない」と答えていたが、当時、小室圭さんとの交際は始まっており、彼との将来をまだ想定していなかったのか、それとも交際を知られたくなかったのか。この回答にどんな意図が込められていたのかは、眞子さんしかわからない。

一方、妹の佳子さまは、眞子さんと違って「理想の男性像」について答えつつも、「結婚について」の質問を興味本位にすぎないと捉えたのか、ぴしゃりとシャットアウトされている。

「理想の男性像については、以前もお答えしていますが、一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。相手がいるかについてですが、このような事柄に関する質問は、今後も含めお答えするつもりはございません」(平成31年、佳子さま国際基督教大学ご卒業に際しての文書回答より)

佳子さま(写真:Motoo Naka/アフロ)
佳子さま(写真:Motoo Naka/アフロ)

果たして、愛子さまはどんな答えを用意されているのだろうか。ユーモアを交えた黒田清子さん流か、ぴしゃりと拒絶した佳子さま流か、それとも新たな愛子さま流のお答えとなるか、僭越ながらかなり楽しみである。

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放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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