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トランプ罪状認否で、不倫疑惑の元ポルノ女優の検索爆上がり。その時メラニア夫人は?

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
昨年11月、次期大統領選への立候補を表明したトランプ氏を見守るメラニア夫人。(写真:ロイター/アフロ)

アメリカでは、トランプ前大統領に対して行われた4日の罪状認否のニュースで持ちきりだ。

トランプ氏はこの国の大統領経験者として初めて起訴された人物となった。2016年の大統領選前、不倫の口止め料の支払いをめぐる疑惑など34の罪で起訴されたが、裁判所でもその後の演説でも一貫して無罪を主張し全面的に争う姿勢を示している。

罪状認否が行われたニューヨーク市マンハッタン区の裁判所前ではこの日、20年の大統領選の期間中によく見かけた光景が再び繰り広げられた。トランプ支持派と反トランプ派の人々が対峙し、互いの主張を譲らなかった。

裁判所内には著名なテレビレポーターでも入ることができなかったようで、入ることができたのは前日から並んだごく一部の限られた記者だけだった。

ニューヨークタイムズによると、法廷内に入るための記者の列は罪状認否の24時間以上前、3日午後2時ごろからできたそうだ。早くから列に並んだ同紙の記者はそこで一夜を明かし、翌日午後にやっと中に入ることができたという。

法廷に現れたトランプ氏について、その場で目撃することができた記者はこのように伝えた。「何度もテレビで観てきたが、この日のトランプ氏はまさに刑事被告人そのものという風貌だった」「(心なしか)老けたように見え、不安な表情と疲労が垣間見えた」。

出廷したトランプ氏。
出廷したトランプ氏。写真:ロイター/アフロ

これまで番長のような威勢を放ってきたトランプ氏だったが、司法の中で見せられる力は限られたものだったようだ。罪状認否の手続き中のほとんどは発言の機会がなく終始無言で脇役となり、終盤でようやく発言の機会が与えられると、2つの単語だけを放ったという。それは「No Guilty(無罪)」だった。

前大統領が刑事告訴されるという前代未聞の歴史的な出来事は、皮肉なことにポルノ閲覧サイトにも影響を及ぼしているようだ。

06年からトランプ氏と不倫関係にあったとされる元ポルノ女優、ストーミー・ダニエルズ氏について、TMZによると、とあるポルノサイトではその名の検索が急増しているという。

「Stormy Daniels」の検索数は先月29日の時点で3万4500件だったが、トランプ氏が起訴された翌30日には63万件に爆上がりし、罪状認否の今月4日はさらに2万件以上増え65万件に達するなど、トランプ氏の動きと共にダニエルズ氏への注目度も高まっているという。

2021年10月、ニュージャージー州のイベントに姿を現した元ポルノ女優、ストーミー・ダニエルズ氏。
2021年10月、ニュージャージー州のイベントに姿を現した元ポルノ女優、ストーミー・ダニエルズ氏。写真:REX/アフロ

トランプ氏は罪状認否後、プライベートジェットでフロリダ州の邸宅、マー・ア・ラゴ に戻り、400人規模の支持者を前に約30分演説した。起訴について「前例のない規模の選挙妨害だ」「我々一族への迫害でもある」「起訴されるのはむしろ地区検事のアルヴィン・ブラッグの方だ」とバイデン政権や民主党員を非難し、自身の無罪そしてMAGAの主張を貫いた。

演説でトランプ氏は自分の家族、特に前妻との間にできた4人の子のうち会場で見守っていた2人の息子と長女イヴァンカ氏がいかに素晴らしく自分をサポートしてくれているか、そして現夫人メラニア氏との間にいる10代の息子バロンくんの話もしたものの、「メラニア氏自身を賞賛するコメントはなかった」とニューヨークポストは報じた。

トランプ氏が罪状認否のために3日にニューヨークに到着してからここ数日間、メラニア氏の姿は確認されていない。この日の演説会場にも、その姿を見せなかった。

メラニア氏は妻としてファーストレディとしてこれまでトランプ氏を支え、昨年11月にトランプ氏が次期大統領選への立候補を表明した際もその場で見守っていた。だが夫が起こしたとされる元ポルノ女優らとの不倫疑惑とそれに関連した訴訟問題、そして今後さらに激しさを増すであろう24年の選挙戦について、妻としてどのような心持ちで受け止めているのだろうか。その心境は想像に難くない。

(Text by Kasumi Abe)  無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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