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トランプ大統領の不倫関係と女性からの生々しい告白に、ほとほと嫌気が差したメラニア・トランプ夫人

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(写真:ロイター/アフロ)

映画『キャバレー』で、歌手のライザ・ミネリが歌う歌詞の中に、”She wasn't what you'd call, a blushing flower.”(彼女はいわゆるシャイなはにかみ屋さんではなかった)というフレーズがある。今日友人が例を挙げながら、「ほら、ここ数日話題のストーミー・ダニエルズみたいな女性のことよ」と説明したとき、私は一瞬ピンとこなかった。

ストーミー・ダニエルズ?

よく話を聞けば、ドナルド・トランプ大統領の女性問題の渦中にいる女性の一人、ポルノ女優(Stormy Daniels)のことだった。

相次ぐ「生々しい告白」

19人もの過去の女性問題が浮上しているトランプ氏だが、ここ最近さらに騒々しさが増している。

3月22日放送のCNNに『プレイボーイ』誌上がりのモデル、カレン・マクドゥーガル氏(Karen McDougal)が出演し、トランプ氏と2006年から不倫関係にあったことを自ら初告白した。

堰を切ったようにその3日後の25日、報道番組『60ミニッツ』で、今度は先述のストーミー・ダニエルズ氏(本名:Stephanie Clifford)が出演し、「自分もよ」と言わんばかりに、2006年にあったトランプ氏との情事を告白。両氏は高額の口止め料をトランプ氏から持ち出されたことなどを赤裸々に語った。マクドゥーガル氏は口止め料を辞退したとし、不倫をしたことに対する罪の意識が高く、ファーストレディーのメラニア夫人に対して「謝罪以外の言葉が出てこない」と、インタビューで答えた。

(関係があった2006年は、両氏ともにトランプ氏がメラニア夫人と結婚してまだ1年、息子のバロンが生まれて数ヵ月のころだ)

関係筋による発表で「メラニア夫人は息子の春休み中、母親業にフォーカスしており、ニュースを気にしないようにしている」と、あくまで夫人は眉をひそめる程度であることが示唆されたが、ここ数日の相次ぐ「生々しい告白」に、とうとう堪忍袋の緒が切れたという報道もある。

メラニアの人生はとても、とても不幸だ

セレブのニュースを扱う『USウィークリー』誌は今月28日、「Melania Trump ‘Is Very, Very Unhappy With Her Life’」(メラニア・トランプの人生はとても、とても不幸だ)との見出しをつけて、独占記事を発表した。

親近者への聞き込み情報として、「メラニア夫人は、夫とはなるべく離れるようにして、移動も単独で行なっている」「一緒に撮影されることを避けている」「夫人は夫の裏切りに恐怖を感じている」「できることなら夫のもとから逃れ、ただ息子とだけ一緒にいたがっている」「今すべての視線がこの夫婦関係に集まっていて、とてもつらい時期を過ごしている」と、記事にはある。

これに対して、アメリカの現地の声で聞こえてくるのは、「彼女はそもそも大統領夫人になりたかったわけじゃないし、夫から離れたがっていると言われても驚かないわ」「メラニアがトランプと出会ったときも不倫なのだから、カルマだよ」「メラニアはもはや夫のことを愛していないのだから、完全別居の理由ができてかえって良かったのでは?」「very very unhappyなのは(こんなゴタゴタに巻き込まれている)私たち国民よ」などという、辛辣な意見だ。

報じられている記事の信憑性については、読者の84%が「メラニアは不幸せ要素がありすぎるので信じられる」、16%は「信じない、フェイクニュース」だという結果が出ており、主として「そりゃそうだよね」といった空気が漂っている。

ここ数日、中朝、南北の首脳会談など北朝鮮をめぐる国際情勢がめまぐるしく動いている中、アメリカでは国のトップの女性問題や夫婦関係が一悶着起こしている。

(Text by Kasumi Abe)  無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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