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楽天「0円廃止」ポイントアップでトクするのはどんな人?

山口健太ITジャーナリスト
楽天市場の「SPU」(Webサイトより、筆者作成)

楽天モバイルの「0円廃止」が話題となっている中、ポイント倍率が高まることでトクをする人もいます。どのような使い方をしたらそうなるのか、筆者のアカウントを例に解説します。

楽天市場のおトクさが決まる「SPU」

楽天モバイルの「0円廃止」に対して、これまで0円で使ってきた「0円ユーザー」の9割が反対しているとの調査があります。

一方で、全員が反対しているわけではありません。この調査では、料金を払っている人の約4割が好意的に評価しており、理由の1つに「ポイントアップ」を挙げています。

ポイントの倍率が上がることで、どれくらいおトクになるのでしょうか。すでに楽天を使っている人にとっては当たり前でも、そうでない人にはなかなか実感できていないように見受けられます。

楽天市場にはサービスの利用状況によってポイント倍率が変わる「SPU」の仕組みがあります。楽天カードや楽天モバイルなどをフルに活用すれば、最大で14倍になります。

筆者はいろいろな経済圏を使っていることもあり、それほど熱心な楽天ユーザーではないので、ポイント倍率は「8.5倍」です。

筆者の場合、SPUは8.5倍(Webサイトより、筆者作成)
筆者の場合、SPUは8.5倍(Webサイトより、筆者作成)

この8.5倍というのは、楽天市場で買い物をしたときのポイントが8.5倍になることを意味しています。通常は1倍(12ポイント)の商品の場合、8.5倍なら合計104ポイントが付与されることが分かります。

通常の8.5倍の104ポイントが付与される(Webサイトより、筆者作成)
通常の8.5倍の104ポイントが付与される(Webサイトより、筆者作成)

これくらいの差であれば、送料などを考慮すると他のECサイトのほうが安い場合も出てきそうです。しかしもっと大きな金額の買い物ではどうでしょうか。

楽天モバイルが楽天市場で販売する「iPhone 13」の場合、128GBモデルの価格は9万6470円です。8.5倍なら7541ポイントが付与されます。

iPhone 13なら7541ポイントが付与される(Webサイトより、筆者作成)
iPhone 13なら7541ポイントが付与される(Webサイトより、筆者作成)

さらに、月に1〜2回ほど「お買い物マラソン」などのセールが開催されます。このセールでは1000円以上の買い物をするたびに倍率が上がる買い回りの仕組みがあります。

5月のセール時に10店舗で買い物などをしたところ、倍率は19.5倍に高まりました。この状態で先ほどのiPhone 13を見てみると、付与されるポイントは1万4693ポイントに増えています。

買い回りで倍率が19.5倍になった状態(Webサイトより、筆者作成)
買い回りで倍率が19.5倍になった状態(Webサイトより、筆者作成)

iPhone本体を買う機会はそれほどないと思いますが、アップル製品の購入に使える「Appleギフトカード」を貯金のように買っておく手もあります。ポイント19.5倍により、5万円分のカードが実質4万円ほどで買えてしまいます。

Appleギフトカードでもポイント還元が適用される(Webサイトより、筆者作成)
Appleギフトカードでもポイント還元が適用される(Webサイトより、筆者作成)

SPUには、すでに楽天モバイルで「+1倍」の特典があり、5月分は1747ポイントとなっていました。

5月分として付与されるポイント(Webサイトより、筆者作成)
5月分として付与されるポイント(Webサイトより、筆者作成)

新料金プランでは、新たに楽天モバイルで「+1倍」、楽天市場のダイヤモンド会員ならさらに「+1倍」が加わります。毎月の上限はそれぞれ1000ポイントなので、7月から最大で2000ポイントの追加を期待できます。これなら楽天モバイルが0円から1078円になったとしても、十分に元が取れるというわけです。

追記:

6月1日、楽天モバイル契約者向けの先行特典として、楽天モバイルの「+1倍」、楽天市場ダイヤモンド会員の「+1倍」が始まりました。エントリーが必要です。

https://network.mobile.rakuten.co.jp/campaign/ichiba_sixtimes/

SPUで付与されるポイントの中には期間限定のものがあり、かつては使い道に困ることもありました。しかし最近では楽天ペイでの支払いに使ったり、楽天モバイルなど月額料金の支払いに充当したりと、用途が広がっています。

モバイルと経済圏は「いいとこ取り」しよう

このように、「0円廃止」でもポイントアップでおトクになる場合はあるといえます。ただし、楽天モバイルをメイン回線として安心して使えるかどうかはまた別の話です。

地域にもよりますが、大手3キャリア並みの品質になるには、楽天モバイルがプラチナバンドの割り当てを受ける必要があると筆者は予想しています。

一方、サブ回線として考えれば、国内通話が無料になる「Rakuten Link」はいろいろな使い方が考えられます。ほかにも楽天のサービスをよく使う人なら、月額1078円になっても払い続ける価値はありそうです。

携帯キャリアと経済圏の組み合わせに決定版といえるものはなく、当面はそれぞれの特徴を理解しながら「いいとこ取り」をするのが賢い使い方といえるでしょう。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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