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dポイント 有効期限のルールが変わる 注意点は?

山口健太ITジャーナリスト
dポイントの有効期限が変わる(NTTドコモのプレスリリースより、筆者撮影)

NTTドコモが「dポイント」の有効期限についてのルールを2025年10月に変更します。

基本的には、他の共通ポイントと似たようなルールになることで分かりやすくなると考えられますが、いくつか注意点もあるようです。

有効期限「最後の利用から12か月」に

dポイントには、「通常」のポイントと「期間・用途限定」のポイントがありますが、通常のポイントだからといって無期限というわけではなく、有効期限があります。

これまでのルールでは、獲得した通常ポイントの有効期限は48か月後の月末で、その期限を過ぎると失効していました。

これまでは獲得したポイントが48か月後に失効していた(NTTドコモのプレスリリースより)
これまでは獲得したポイントが48か月後に失効していた(NTTドコモのプレスリリースより)

2025年10月に予定されている新ルールの開始後は、通常ポイント全体の有効期限が、最後に利用(ためる、または使う)した日から12か月後になります。

新ルールではすべてのポイントが最後の「使う・たまる」から12か月後となる(NTTドコモのプレスリリースより)
新ルールではすべてのポイントが最後の「使う・たまる」から12か月後となる(NTTドコモのプレスリリースより)

数字だけ見ると48か月から12か月へと短くなるように感じるかもしれませんが、日常的にdポイントを活用している人なら、増減があるたびに通常ポイント全体の有効期限が12か月後に延びるわけです。実質無期限になるといってよいでしょう。

いま、利用者のアカウントにはさまざまな有効期限の通常ポイントが存在していることになりますが、ドコモによれば新ルールが始まる2025年10月にすべての通常ポイントの有効期限が12か月後(2026年10月)に変更されるとのことです。

新しい有効期限のルールはほかの共通ポイントと似ていることから、分かりやすくなるというメリットもあります。

■楽天ポイント

通常ポイントの有効期限は、最後にポイントを獲得した月を含めた1年間です。
期間内に1度でもポイントを獲得すれば、有効期限は延長されます。

【楽天市場|公式ヘルプ】ポイントの有効期限について

■Vポイント

Vポイントの有効期限は、ポイントの最終変動日(付与・還元・交換)から1年です。

Vポイントに有効期限はありますか? | Vポイントサイト -よくあるご質問・お問い合わせ

■Pontaポイント

Pontaポイントの有効期限は、最終利用日(ためる・つかう)から1年後の同日までです。

Pontaポイントの有効期限を教えてください : Ponta よくあるご質問|共通ポイント[ポンタ]

■PayPayポイント

PayPayポイントに有効期限はありません。

PayPayポイントについて - キャッシュレス決済のPayPay

新ルールの活用例としては、ポイントごとに決められた有効期限がなくなるので、何年もかけてポイントをため続け、大きな買い物に使うといったことがやりやすくなります。

一方、新ルールでデメリットが生じるケースとしては、他の経済圏に移るなどしてdポイントの獲得や利用を完全にやめてしまうと、12か月ですべてが失効してしまうことが挙げられます。

ほかにも有効期限が延長にならないケースが2点あるので、念のために確認しておきましょう。

まずはキャンペーンなどでよく付与される期間・用途限定のdポイントについて、利用した場合は通常ポイントが延長されますが、「獲得」しただけでは通常ポイントの延長はできないという点です。

この点について、期間・用途限定のポイントは有効期限が短く、期限までに使いたくなるはずなので、大きな問題にはならないでしょう。

もう1つ、注釈の中で気になるのが、ドコモ回線などの契約による毎月のポイント進呈は延長の対象外という点です。

※5 ドコモ回線・「ドコモ光」・「ドコモでんき」契約による毎月のポイント進呈については延長の対象外となります。また、今後も対象外サービスについては変更の可能性がございます。

「dポイントクラブ」のサービス内容の変更および一部サービスの提供終了について | お知らせ | NTTドコモ

ドコモによれば、これらの料金をdカードやdカードGOLDなどで支払うことでポイントを獲得した場合でも、決済ポイントではないので、有効期限の延長は対象外になるといいます。

ドコモのWebサイトによれば、dカードで通常の買い物をすると1%のポイント還元がありますが、ドコモ回線などの料金は対象外で、その代わりにdポイントクラブの優待として1%を進呈するという建て付けになっています。dカードGOLDの特典である9%の上乗せも同じ仕組みです。

ドコモの料金を支払ってポイントを獲得したのに有効期限が延長されないというのは、やや直感に反するところですが、その理由をドコモ広報は「アクティブな利用をしてほしいため」と説明しています。

もしドコモ料金の支払いも対象にしてしまうと、実質的にすべてのドコモユーザーのポイントが無期限になるでしょう。それはドコモの意図するところではなく、何らかのアクションを起こしてdポイントを利用、あるいは獲得してほしいという思惑が感じられます。

分かりにくい点ではありますが、dポイントを日常的に活用している人であれば気にする必要はないでしょう。もしドコモの料金を支払っているのに、dカードやdポイントカード、d払いをまったく使わないという人は、この機会に使ってみるとよさそうです。

おトクな「ポイント充当」はさらに便利に

dポイントの使い方として、ドコモが最近注力しているのが携帯電話などドコモの料金支払い時の充当です。

なぜおトクかというと、税抜の料金からポイント分を差し引けるので、消費税の負担が少なくなり、実質的に1ポイントが1円を超える価値を持つことになるからです。

ドコモ「携帯料金のポイント払い」がおトクに 新たな魅力になるか

ドコモの携帯料金の支払いにポイントを充当すると消費税の負担も減ることを解説した、筆者の記事

ただ、これまでは毎月手動で充当するのが面倒との声がありましたが、2025年7月にはあらかじめ設定したポイント数を毎月自動で充当する機能が追加される予定とのこと。ただでさえおトクなポイント充当が、さらに便利になりそうです。

「dポイントクラブ」のサービス内容の変更および一部サービスの提供終了について | お知らせ | NTTドコモ

NTTドコモのプレスリリース。dポイントの有効期限などについて説明している

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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