「当事者意識のない部下がいる」と嘆く部長にブーメラン! 当事者意識のない上司はAIに淘汰される?
「当事者意識のない部下がいる」
そう嘆く上司がいた。
私は彼にいくつかの解決策を提示した。すると
「それは会社がやることです」
と言い返された。
「あなたは部長です。あなたが社長に進言すればいいじゃないですか」
と言うと
「権限がないんで」
と返された。
「ならば、当事者意識がないのはあなたではないんですか?」
と私も言い返した。
後日、私がその話を社長にすると、
「当事者意識のないマネジャーが多すぎる。いずれAIに置換されるぞ」
と感想を口にした。
近年、AIやロボットの技術が加速しているこの世の中では、当事者意識が低く指示待ちの人は真っ先に業務を置換されてしまうことであろう。
ChatGPTの開発元であるOpenAIが、3月中にGPT-4を発表するという報道もある。マネジャー、中間管理職の仕事もこのような先進技術に奪われてしまうかもしれない。
いっぽう当事者意識の高い人は、さらに影響力を大きくするはずだ。今後いろんな会社から必要とされるに違いない。
では、当事者意識が低い人と高い人では、それぞれどのような特徴があるのだろうか。
今回は、『7つの習慣』の用語「影響の輪」「関心の輪」を用いながら、図解を交えて解説していく。ぜひ、最後まで読んでいただきたい。
<トピックス>
■当事者意識が低く、周りへの関心も低い人の特徴
■当事者意識が低く、他責思考の人の特徴
■当事者意識が低く、他責思考が極大な人の特徴
■当事者意識が高い人の特徴
■圧倒的当事者意識を持つ人の特徴
■当事者意識が低く、周りへの関心も低い人の特徴
まずは完全「指示待ち」の人の例を、図で表現した。当事者意識が低く、仕事や会社、社会にも関心がないような人だ(影響の輪も、関心の輪も小さい)。
なぜ、こうなってしまうのか? 理由の一つは、視座の低さだ。視座が低いと、自分の業務が何に繋がっているのかを正しく理解できていない。
そのため何か改善しようとするときも、低い改善提案をしてしまう。業務内容によっては、まさにAIやロボットに置換される可能性があると言える。
■当事者意識が低く、他責思考の人の特徴
次は、完全「他責思考」の人の例だ(影響の輪が小さく、関心の輪が大きい)。
「あの部署がもっと動いてくれればいいのに」
「あの人は、いま何してんの」
「手伝ってよ」
「会社の方針がおかしいからだ」
と不満や愚痴が多い。
「影響の輪」が小さいのに「関心の輪」だけが大きいからだ。
■当事者意識が低く、他責思考が極大な人の特徴
次は、完全無欠の「ネガティブ思考」の人(影響の輪が小さく、関心の輪が極大)。
こういう人は、
「なぜ雨が降るんだ!」
「ただでさえ大変なのに、雨のせいで仕事が増える!」
と、コントロールできないものにまで不満をぶつける。
「関心の輪」を広げすぎると「反応」型の人間になってしまう。「影響の輪」の外側にばかり関心を寄せるからだ。
主体的に行動を「選択」できる人間になるには、まず「影響の輪」に着目していかなければならない。
■当事者意識が高い人の特徴
続いて、当事者意識が高い人の例だ(影響の輪が関心の輪と同じくらいの大きさ)。
「関心の輪」を広げ、目先の仕事だけでなく、自分が主体的に影響を与えられるのは、どのようなものがあるか。
常に同等の大きさの「影響の輪」を広げようとしている人。こういう人は主体性があり、当事者意識も高い。
直接コントロールできなくても、改善提案、問題提起ができる。このような人はChatGPTの性能がどれほどアップしても、怖くはない。
何を「自分事」として捉えられるかを常に考えている。新入社員でも必要な視点だ。
■圧倒的当事者意識を持つ人の特徴
最後に、圧倒的当事者意識が高い人を紹介しよう(影響の輪、関心の輪が極大)。
「関心の輪」のみならず「影響の輪」も極大化している。全社に影響力があるという意味もあるが、それだけではない。
自分の振る舞いや発言が組織全体にも影響を与えているという意識で仕事をする。
こういう人が圧倒的当事者意識が高い人だ。もちろん新人でもできる。
私はこれまで「当事者意識=関心度×責任感」で表現してきた。この意識はスキルとも経験とも役職とも関係がない。誰にでも持てるものだ。
これからはますます当事者意識が必要な時代だ。正しく意味を理解し、「影響の輪」と「関心の輪」の大きさを調整して意識改革を継続させていこう。