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「不要不急」と呼ばれた産業から安倍総理へ

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:アフロ)

さて、東京商工リサーチが以下の様なアンケート結果を発表しています。以下、東京商工リサーチのwebサイトからの転載。

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(出所:http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200312_01.html

現在政府が呼び掛けている「不要不急な外出の自粛」と「不要不急な集まりの自粛」によって直撃を受けておるのは、私が専門範疇に置くレジャー・観光産業でありまして、全国各地から悲鳴が挙がっておる状況。そして「悲鳴が挙がっている」内はまだマシで、そのうち皆が死に絶えた結果、悲鳴すら挙がらなくなる状況になることは予想に難くありません。

ただ一点だけ朗報なのは、政府による自粛要請から1カ月経ち、そろそろ国民にも「自粛疲れ」が出て来始めたのか、個人客の比較的若い世代の需要というのが徐々に回復してきているのは事実です。私のYouTubeチャンネル側にアップしましたが、浅草などでは少し環境が好転している状況も見て取れました。ご興味のある方は是非合わせてご覧いただければ幸い。

政府専門家会議は、新型コロナウィルスによるクラスター発生リスクは以下の3要素が重なり合う区域であり、感染症リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方々、そして現在クラスター発生リスクのある地域にお住まいな方々以外の人に関しては、下記図を鑑みリスクを勘案しながら出来るだけ通常の生活を送って欲しいとしています。現在、瀕死の途になるレジャー・観光産業としては、是非、極端な自粛からそろそろ開けて頂き、経済を廻して頂きたいというのが本音であります。

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(出所:厚生労働省 発表資料)

一方、安倍総理による会見で「不要不急」な産業とされ、経済的な危機に直面するレジャー産業として政府に申し上げなければならないのは、そもそも政府専門家会議は専門的な立場から「全国一斉自粛」などは求めて居なかった状況下で「全国一斉」を要請したのはあくまで「政治判断」であります。我々業界は、その政治判断によって現在瀕死の状態にあるわけで、特に政府与党におかれましては政治判断に対する「政治的責任」の重さをしっかりと受け止めて頂きたい。3月14日に行われた総理会見では、何やらその政治責任を一部放棄するかの様な総理による発言が満載でありましたが、もしその様なスタンスを政府与党が獲り続けるのであれば、間違いなく次の選挙では与党サイドは総崩れになるでしょう。

現在、経済的危機に直面しているレジャー観光産業は、外食産業まで含めればゆうに1000万人の産業人口を抱え、その家族までもを含めればその数は倍増します。それら政府によって「不要不急」と呼ばれた産業に関わる全有権者が、いま政府与党の対応の一挙手一投足を見守っているということを、是非ご自覚頂きたいと思うところです。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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