栄枯盛衰の代表サッカー。目先の成績よりも長期的な視点を
W杯で優勝4回、準優勝2回の実績を持つイタリアと、準優勝3回のオランダが、ロシアW杯の欧州予選でそれぞれ敗退。大きなニュースとして伝えられた。とはいえ、イタリアは本大会で過去2回(2010年、2014年)立て続けにグループリーグで敗退している。試合内容を見れば、それは不運だとか、惜しい印象を与えない整合性に富む結果だった。
低落傾向にあるその姿は、クラブサッカーにも現れていた。なにより質の高い選手が不足していることは、世界中にも知られた事実となっていた。
オランダはイタリアとは対照的に、過去2回のW杯でしっかり結果を残していた。2010年のW杯準優勝は、スペインと戦った決勝で延長にもつれ込む接戦を演じ、2014年ブラジルW杯3位も、優勝候補のスペインをグループリーグで、開催国のブラジルを3位決定戦で、それぞれ粉砕した末の結果だった。
成績は出していた。しかし、2010年W杯の時点で今日の姿は、ある程度占えた。若手に良い選手が少なかったのだ。その傾向は2014年W杯でよりいっそう鮮明になる。実力者であるロッベンとファン・ペルシを2トップに据えたカウンターサッカー。両者の能力を最大限に発揮させる戦法が功を奏し、それが、同時に弱点をカモフラージュする格好になっていた。生命線の細さがうかがい知れる、ギリギリの戦いだったのだ。
南米予選で大苦戦。予選の最終戦でエクアドルを下し、際どく4位の座に滑り込んだアルゼンチンも、準優勝を飾った前回大会の段階で、危険な兆候は見えていた。それは平均年齢の高さにある。登録メンバーの平均年齢28.5歳は、本大会に出場した32チーム中、一番の高齢だった。その反動が、今回の予選に回ってきた格好だ。ただし、イタリアやオランダのように、優秀な若手が枯渇していると言うわけではない。前回大会に匹敵する成績を今回、収めることができるか、はなはだ怪しいが、最低限のレベルを保つ体力が、この国にはある。
この記事は有料です。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバーをお申し込みください。
たかがサッカー。されどサッカーのバックナンバー 2017年11月
税込550円(記事4本)
※すでに購入済みの方はログインしてください。