同じ年にシーズンMVPとワールドシリーズMVPをダブル受賞は何人いるのか。今年はジャッジか大谷が!?
今年のワールドシリーズは、ニューヨーク・ヤンキースとロサンゼルス・ドジャースが対戦する。両チームのマッチアップは、ドジャースのブルックリン時代を含め、12度目となる。過去11シリーズの優勝は、ヤンキースが8度、ドジャースは3度だ。それについては、こちらで書いた。
◆「ワールドシリーズの対戦は4通り。ヤンキース対ドジャース、ヤンキース対メッツ、ガーディアンズ対…」
ドジャースがヤンキースを倒して優勝したのは、1955年、1963年、1981年だ。1982年以降、両チームがワールドシリーズで顔を合わせたことはない。
この3度のうち、1963年のワールドシリーズMVPは、サンディ・コーファックスが受賞した。この年、コーファックスは、レギュラーシーズンのリーグMVPとサイ・ヤング賞にも選ばれている。
レギュラーシーズンの防御率1.88と306奪三振は両リーグ1位、25勝は1位タイ。白星は、サンフランシスコ・ジャイアンツのホアン・マリシャルと並んだ。コーファックスは、満場一致でサイ・ヤング賞に選ばれ、MVP投票でも2位のディック・グロート――セントルイス・カーディナルスの遊撃手――に50ポイント近い差をつけた。コーファックスが237ポイント、グロートは190ポイントだ。ちなみに、当時のサイ・ヤング賞は、両リーグで1人の選出だった。
同じ年に、レギュラーシーズンのMVPとワールドシリーズのMVPを受賞した選手は、史上初のコーファックスを含め、5人しかいない。2人目以降の4人は、1966年のフランク・ロビンソン、1973年のレジー・ジャクソン、1979年のウィリー・スタージェルに、1980年のマイク・シュミットだ。スタージェルは、同じ年にリーグ・チャンピオンシップ・シリーズのMVPにも選ばれた。
今年、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(ドジャース)は、同じ年にシーズンMVPとワールドシリーズMVPの6人目となるかもしれない。2人とも、レギュラーシーズンのMVPは、まず間違いない。
ただ、レギュラーシーズンのMVPと違い、彼らのうち、少なくとも一方は、ワールドシリーズのMVPには選ばれないだろう。
複数の選手がMVPを受賞したワールドシリーズは、これまでに2度ある。1981年はロン・セイ、ペドロ・ゲレーロ、スティーブ・イェーガー、2001年はランディ・ジョンソンとカート・シリングが選ばれた。だが、どちらの場合も、MVPを分け合ったのはチームメイト。前者はドジャースの3人、後者はアリゾナ・ダイヤモンドバックスの2人だ。
なお、今シーズン、ジャッジは58本塁打と144打点、大谷は54本塁打と130打点を記録し、ともに、本塁打王と打点王を獲得した。
両リーグの本塁打王が揃い踏みしたワールドシリーズについては、こちらで書いた。