男性保育士は給料が低いのが悩み?~元男性保育士が考える【男性が幼児教育の現場で生き生きと働く秘訣】
保育現場や教育現場で働く男性の皆さん、こんにちは。
元男性保育士のナイスです。
僕は元男性保育士、そして2人の子どもの父親として子育てや保育について発信する活動をしており、保育・幼児教育現場で働く方達や子育て中のお父さん、お母さんたちの力になりたいと思っています。
今回の記事は、保育や幼児教育の現場で頑張っている男性の皆さんに向けた【男性が幼児教育の現場で生き生きと働く秘訣】シリーズの第4回目です。今回のテーマは、「男性保育士の給料について」。最近は保育士の待遇について話題になることが多くありますが、確かに保育士の給料は決して高くはありません。そのため、保育士は底辺の職業と言われることもあります。子ども達の大切な命を守る責任のある仕事で、残業や持ち帰りも多い大変な仕事でありながら給料は安く、そのために離職する保育士が多いため保育士の人手不足は深刻な問題です。
給料は生活に直結しますが、特に男性保育士にとっては結婚や将来を考えた際に給料の低さを理由に退職する人は多いと言われています。また、男性保育士の割合が伸び悩んでいる原因も、給料の安さが原因の1つだと考えられているのです。しかし、せっかく志した仕事を給料の安さを理由に退職してしまうのは残念で仕方ありません。そこで今回は、男性保育士の給料について考えてみたいと思います。
保育士の給料は安いのか?
保育士の給料は地域や園によって異なりますが、一般的に性別を問わず平均的な年収と比較すると低い傾向が見られます。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の結果を見ても、ほかの職種に比べて給料はかなり低いです。全体的に、女性保育士よりも男性保育士のほうが給料は高い傾向にありますが、一般的な男性全体の給料よりもだいぶ低い金額になっています。
長年勤務をしていれば、昇給や昇進する機会があるため、長く勤務を続けることで少しずつ昇給していくことが期待できるでしょう。しかし、若いうちに将来への不安を抱えて離職してしまう男性保育士は少なくありません。
待機児童が増えて社会問題になったことや慢性的な保育士不足の深刻化などを理由に、2013年から保育士の処遇改善加算が行われ、2017年には新たな処遇改善加算制度も始まりました。そのため、保育士の給与や手当ては少しずつ改善されてはいます。しかし、まだまだ一般的に保育士の給料は高いとは言えず、過酷な労働条件で頑張っている人が多い現状です。
保育士の給料を上げる方法
勤続年数とともに昇給はしていきますが、当然年数がかかります。そして、処遇改善加算がされているとはいえ、大幅なアップは期待できない状況です。以上の現状で、保育士の給料を上げるためにはどのような方法があるのでしょうか。4つの方法を紹介します。
保育士の給料を上げる方法① 管理職を目指す
保育園や幼稚園、こども園には園長・副園長・教頭・主任保育士・主幹保育教諭など、さまざまな役職があります。管理職には管理職手当が支給されるため、給料は大幅にアップするでしょう。しかし、誰でも管理職になれるわけではありません。年功序列の園であれば、長い経験年数が必要です。年功序列ではなくても、勤務して数年の若手がすぐに管理職になるのは難しいでしょう。しかし、努力やスキルが認められたり管理職やベテラン職員が諸事情で退職したり、経験年数が必ずしも長くなくても管理職に抜擢される可能性やチャンスはあります。若いからとあきらめず、日々の努力が必要です。
保育士の給料を上げる方法② 資格を取得する
保育士以外に仕事で活かせる資格を取得することで、手当てがもらえる場合があります。ただし、資格手当が支給されるかどうかは園や資格によって異なるため、事前に調べることをおすすめします。しかし、資格手当が支給されなくても資格を取得するために勉強することはスキルアップにつながり、日々の保育の中で行かせることができるはずです。そして、その努力が認められて管理職に抜擢される可能性もあるでしょう。
保育園や幼稚園で行かせる資格には、チャイルドマインダーやチャイルドコーチング、絵本専門士、リトミックや運動、英語、レクリエーション、ネイチャゲームなどの指導者などたくさんあります。また、いろいろな団体や法人が認定する発達支援に関する資格を取得するのもおすすめです。自分の得意分野や興味がある資格があれば、ぜひ調べてみてください。
また、送迎バスがある園であれば、大型免許を取得して運転業務を行うことで手当てが出るでしょう。しかし、保育と送迎の兼務は体力的にも時間的にもハードです。無理はしないよう、よく検討してください。
保育士の給料を上げる方法③ 別の園に転職する
園によって、給料の額は異なります。自分が勤務している園の基本給が低く、手当てが少ないのであれば、よりよい条件の園へ転職するのも1つの方法です。私立の園は、園や経営する母体によって給料は大きく違います。しかし、一般的には私立の園よりも公立の園のほうが給料は高く、待遇面で恵まれている傾向にあります。私立園に努めている人は、公立の試験に挑戦してみるのもよいでしょう。
また、給料は地域によっても異なり、地方よりも都市部のほうが給料は高い傾向にあります。地方に勤めている人は、可能であれば都市部の園に転職して引っ越すということも選択肢に入れてみてください。
転職を考えたときや迷っているときは、退職する前に転職サイトやエージェントに登録し、相談してみましょう。希望条件に具体的な給料の金額など希望する条件を提示し、転職先を探してもらうことができます。
保育士の給料を上げる方法④ 資格や経験を活かせる別の職種に転職する
保育士や幼稚園教諭の資格を活かす働き方は、保育園や幼稚園の現場で働くだけではありません。保育や子育ての専門家としてのスキルや経験を活かした働き方は、いろいろあります。保育士や幼稚園教諭の資格が取得できる専門学校で、講師として働くのも1つの方法です。
そして、今の時代は保育や子育てに関する動画を作成してYou TubeやTikTokなどで発信したり、コンテンツを作成して販売したりすることもできます。また、SNSやインターネットを通じて育児相談を行うなど、アイデアによってさまざまな働き方が可能な時代です。副業が可能な園であれば、保育士として働きながら、副業としてビジネスを行うことも可能でしょう。
まとめ
男性保育士の給料について、解説しました。給料を上げる方法を4つ紹介しましたが、どの方法も一朝一夕に稼げることは難しいでしょう。しかし、4つの中で1つでも自分に挑戦できそうなものがあれば、ぜひチャレンジしてみてください。
もちろん保育や幼児教育から離れ、全く違う職種に転職するのも1つの方法ですが、生活のためにやりたい仕事をあきらめるのであれば、その前にチャレンジする価値はあると思います。
ちなみに僕は保育士時代、管理職になって管理職手当をもらっていました。また、大型免許やリトミック指導者の資格を取得して仕事に活用し、手当てをいただいたこともあります。そして今は、保育士としての経験やスキルを活かして、Webライターとして発信したりリトミック講師をしたりしながら、可能性は無限大だと信じて頑張っている最中です。
尚、【男性が幼児教育の現場で生き生きと働く秘訣】シリーズの第1回「職場の人間関係の悩みについて」、第2回「保護者からの信頼を得る方法」、第3回「保育士が苦手だと苦労すること3選」も、よかったらぜひ読んでみてください。元男性保育士として男性保育士の皆さんを応援しています。