ノート(36) 元特捜部長らを追い込むために続々と積み上がる供述調書
~解脱編(8)
勾留11日目
支離滅裂な対応
この日の昼も、朝方に放送されたNHKラジオのニュース録音が流された。大坪さんと佐賀さんの2人が昨日夜に犯人隠避罪で逮捕されたとか、「被疑者として一般人同様に人権があるから」という理由を挙げ、最高検が彼らの逮捕時の認否を明らかにしなかったとか、本日、京都地検と神戸地検に捜索が入った、といった内容だった。
大阪地検特捜部での勤務後、大坪さんは京都地検で次席検事を、佐賀さんは神戸地検で特別刑事部長を務めており、彼らの執務室が捜索の中心になるものと思われた。彼らの逮捕は既に知っていたことだったし、捜索も想定の範囲内であり、驚くものではなかった。
しかし、リークの常習犯である最高検が、「被疑者として一般人同様に人権があるから」という理由を挙げ、元特捜部長らの逮捕時の認否を明らかにしなかったのは、まさしく笑止千万だった。
僕の場合には、折りに触れ、故意ではなく過誤だと主張して容疑を否認しているとか、一転して容疑を認めたとか、大坪さんらの関与を認めたなどと、虚実ないまぜの情報をマスコミに内々でリークし、大きく報道させていたからだった。
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