【家庭菜園初心者向け】夏野菜苗を早めに買って枯れさせないコツ
【前回のあらすじ】
今回は前の記事の続きとなりますので簡単に前回内容をおさらい。
3月下旬頃から夏野菜の苗が売られ始めるけれど、多くの夏野菜は気温10度以下の低温に弱く、買ってきた苗を3~4月に畑に植えると低温で枯れるリスクがある。
けど、定植適期の4月下旬~5月上旬頃には良い苗が売り切れてしまっていることがよくある。
じゃあ、どうしたらいいんだい?
ってことでその解決策を紹介するのが今回の記事です!
というわけで、ここから本題に入ります。
結論は記事タイトルがそのまんま答えで、
早めに買って枯れさせないようにする
…なのですが、具体的にどうすればよいのかを書いていきます。
ちょっとしたコツで手軽に出来るやり方と、資材と作業が必要なやり方があるので自分に合った方をやってみて下さい。
定植適期の1週間前に買って自宅保管
あまり早めには買えないけど一番お手軽。
まず天気予報アプリなどで半月分の予報が見れるので、それを参考に定植日を決めます。
定植予定日から1週間~10日ほど前に苗を買ってきて、
日中は日の当たる屋外、夜間は屋内
にしまうようにすれば寒さで枯れるのを回避できるし、春の直射日光と外気に当てることで苗も強くなります。
市販の苗は寒さ除けで屋根のあるところに保管・陳列されているのと苗同士で込み合っていることもあり、徒長(光不足でひょろ長くなる状態)気味だったりしますが、数日直射日光に当てるだけでも葉色が濃くなり、茎もしっかりしてきます。保管と同時に強化も出来ます。
1週間程度なら肥料切れまでは起こしにくい(既に肥料切れしていたら微妙だけど)ので毎朝の水やりだけでも持ちます。
※下手に肥料をあげると逆効果で弱らせることもあるので、よくわからないなら水遣りだけにするのが無難です。
取り込むのが面倒なら保温カバーを掛けるだけでも効果あり
自宅に苗を保管する場所が無かったり、毎日動かすのが面倒な場合は多少リスクは上がりますが、苗に保温カバーをかけておくだけでも予防できます。
ホームセンターで簡易保温器がセットで売ってたりするので利用してみて下さい。
過去にそれを使って種から育苗したこともあるので、ビニールハウスまで用意できないけど自分で育苗もやってみたい方は↓こちらの動画も参考にしてみて下さい。
ちなみにもっと簡易的にお金も掛けずにやりたい場合は、厚手で大きめのポリ袋を買ってきてその中にいれておくというのでも保温効果はありますし、それを小さなビニールハウス(トンネル)にして育苗や苗の保護をすることもできます。
但し、これらの方法で耐えられるのは最低気温8度前後までで5度以下になる強い冷え込みの場合は苗が枯れる可能性が高いので、
メインで行うのではなく、
『多分大丈夫だろうけど保険にやっておく』
くらいに考えて下さい。
1週間よりもっと早くに買っておきたい、あるいは苗が肥料切れ起こしているけどまだ畑には植えられない場合には次の処置をしてから日中は屋外、夜間は屋内での保管をしてみて下さい。
買ってきた苗を1回り大きい育苗ポットに土を足して植え替える
野菜の種類にもよりますが、売られている苗の育苗ポットのサイズはだいたい75~105ミリです。
75ミリのポットだと小さいので105ミリのポットに変える必要がありますが、元が105ミリなら土を足すことで2~3週間持たせることもできます。
というのも、市販の苗の土はヤシガラ繊維などをベースにした軽い物に化成肥料で養分を補っているものが多く、土の量が減っている場合がよくあります。
育苗ポットは8分目くらいまで土を入れて使うのが適正なので、減っている場合はそこまで土を補充してあげれば良いのですが、ただ土を上から足すだけではダメです。
補充する土は野菜が育つ状態の畑の土か、市販の肥料入り培養土なら大丈夫ですが、売られている土で養分がほとんど含まれていない赤玉土や鹿沼土をそのまま使うのはダメです。
※やり方はこの後に文字で書いてみたのですがわかりにくいので、市販の苗の植え替えではありませんが、↓こちらの動画も参考にしてみてください。
土を詰める量や、苗のどの部分まで土に埋めてよいかの参考になると思います。
育苗ポットに土を補充するポイント
野菜の根は基本的に下に伸びます。
なので土を足す時に、一度ポットから苗の根鉢(苗の根が土を抱き込んで育苗ポットの形になった状態の部分)を取り出して、
根を傷めないように軽くほぐしてから、
追加する土と一緒に育苗ポットに戻し、
根や茎を傷めないように力加減をしつつ土と根が密着するようにぎゅっと押さえます。
押さえた上でポットの8分目くらいまで土が入るようにしてください。
この時、
苗の元々の生え際を土に埋めないように
します。
トマトは大丈夫なのですが、他の野菜の苗は茎の部分が土に埋まるとそこから傷んで弱ったり枯れる場合があるためです。
これをせずに、根鉢を取り出した育苗ポットの底に土を入れてその上に苗を戻すだけだと新しい土に根が伸びていきにくく、土を足した意味が無かったりします。
植え替え直後は水浸しにする
土を補充した後の最初の水やりは特にたっぷりやります。
最低でも上からやった水がポットの下から流れ出るくらいで、できればバケツや桶などに育苗ポットがまるまる浸かる深さの水を張り、そこへ
土から気泡が出なくなるまで水に浸けます。
(苗の葉っぱは水に浸けないように)
気泡が出なくなったら水から引き上げて、それ以降は土の表面が乾いたら水をやるようにします。
これせずに半端な水遣りをすると、育苗ポットの底の方が乾いていて地表面だけ湿って根が伸びられずに弱ったりします。
逆にずーっと土が濡れているのも良くありません。
適度に湿っていることが大事でずっと濡れているのは良くないんです。
畑に定植した上で低温リスクを回避する方法はまた次回
さて、このまま早めに畑に植えても低温で枯れさせないようにするやり方の説明もしようと思ったのですが、今回も長くなったのでそれは次にします。
ポイントだけ言ってしまえば、
ビニールマルチとトンネルを使う
これだけですが、なぜそれで防げるのかも含めて詳しく説明します。
それにしても今年は近年稀にみる寒い3月ですね、いつもなら今頃満開になる桜も今年はまだまだ咲きそうにないです。