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無農薬のキャベツ栽培!防虫ネットも使わず虫に食われにくくするポイントについて

かーびーファームインタープリター/自然農YouTuber
農薬だけじゃなく肥料もビニールマルチも防虫ネットも不使用の自然農キャベツです

前回のあらすじ

前回の記事では私が育てている無農薬、無施肥、ビニールマルチ、防虫ネット無しでのキャベツの実例写真をあげつつ、無農薬でキャベツを育てるポイントについても触れました。

簡単におさらいすると、キャベツを食べる虫はモンシロチョウと蛾の幼虫が多く、それらが卵を産みつけないように防虫ネットをはるのが最も効果的だと書きました。

しかし、最後にも書いた通り、私は防虫ネットも使いません。

ご覧の通り、あけっぴろげ。ノーガード栽培と呼んでます。
ご覧の通り、あけっぴろげ。ノーガード栽培と呼んでます。

理由はめんどくさ…いやいや、オホンッ

石油系資材が使えなくなったとしても栽培すること方法を研究しているからです( `・ω・´)キリッ

冗談ぽく言ってますが、めんどくさいというのも本音ですし、手間とお金が掛かるし、資材がゴミになりやすいし、それは環境的にも良くないので、使わずに出来れば最高じゃないですか(^ω^)という気持ちからやってるのも事実です

…という理由もありますが、私がやっている『自然農』では防虫ネットを使うことのデメリットが出やすくなることもあり使っていません。

その辺りのことを今回の記事では書いていきますが、YouTubeの動画でも同じ内容のことを話していますのでよかったらそちらもご覧ください↓

自然農で防虫ネットを使うデメリット

自然農では色んな生き物が畑にいることで一部の虫だけが増えることを抑えています。いわゆる天敵農法が自然におこなわれています。

防虫ネットはネットの内側に害虫や害虫の卵が無い上に、侵入されないようにしっかりと貼られていれば効果バツグンですが、逆に内部にすでに侵入されていた場合はむしろ防虫ネットが害虫を天敵から守るバリアになってしまいます。

自然農の場合は草を生やしていたり、土を耕さずに植えたりするので最初から害虫になり得る虫たちが潜んでいる可能性があるので、防虫ネットとは相性がちょっと悪いんです。

農薬も防虫ネットも使わずに虫食い予防するには?

…という見出しをつけつつ、先に書いておきますと土を耕し草などを取り除いた畝に虫の卵や幼虫が付いていない苗を植えてすぐに虫が入らないようにしっかりと防虫ネットを張るのが最も確実です。

でも、自然農でやりたい!防虫ネット張るの苦手、めんどくさいから張りたくないという方は続きを読んで下さい↓

安心安全無農薬の『テデトール』!

最も効果的で即効性があり、虫に耐性もつかず、人体にも環境にも無害

それが有機農家さん御用達のテデトール

テデトール→手で取る→捕殺

そう、卵や幼虫を見つけ次第とにかく取り除く人力戦術です。

ただ、多用することで人体が疲弊しますので乱用しなくて済むように次に挙げるポイントと併せてご利用下さい。

定植適期を見極めて植える

自然農は基本的に露地での適期栽培です。というかそれしか出来ません(^q^)

品種にもよりますが、冬採りキャベツの種まき適期は8月、定植が9月頃です。

※地域によりますし、プロ農家さんはもっと早かったりします。

ただ、近年の8〜9月が暑すぎて難しいので、特に育苗時は8月になるので午後から日陰になる場所で育てました。日陰が無ければ不織布などを掛けて光を少し遮ってあげると良いと思います。

涼しくなってから種まき、定植すると今度は結球する前に寒くなってしまい玉にならなかったり、なってもゆるふわ系キャベツになります。

植物性堆肥を使って地力を緩やかに上げる

野菜は適期に植えて土の状態が良ければ健康に育ちます。

健康に育っている野菜は虫に食われにくくなります。

これについてはしっかり説明すると長くなるので要点だけ書くと、

根がちゃんと伸びていける柔らかさや微細な隙間が土にあること

土の酸性度が適正範囲で、必要な養分が土にあること。

言うは易し行うは難しということで、これが難しいというか、

『良い土』が出来れば苦労しないです。

下手に肥料や有機物を入れると根が傷んだり、虫に食われやすくなったりしますが、地力が不十分なのに無施肥(無肥料)にこだわってしまうと全然大きくならず巻きがゆるふわになります。

そこで、1番失敗しにくくて簡単だと思ったのが完熟した植物性堆肥をたっぷり入れる。土の元々の肥沃度にもよるけど地表から20センチくらいが全部堆肥になるので良いくらいです。

完熟というのは、発酵熱がで終わってもう温度が上がらず、ガスも出なくなって黒っぽい土みたいになった状態。

牛糞堆肥など動物性の家畜糞堆肥は肥料成分が強くなるのでたくさん入れすぎてはダメです。

結果の紹介

まぁ、そうは言っても実際にキャベツが出来ていなければ話にならないというか、説得力に欠けるので収穫して半分に割ってみたうちの無農薬キャベツさんが↓こちらです

2024年12月5日収穫。外葉を剥がした状態で約1,200gほどでした。ちょっと巻きが緩いものの中には虫食い全く無しです。
2024年12月5日収穫。外葉を剥がした状態で約1,200gほどでした。ちょっと巻きが緩いものの中には虫食い全く無しです。

↓これが収穫前。この株は外葉も虫食い少なくとても綺麗に出来ていました。

↓これは別のキャベツで外葉は虫食いが目立ちますが、どうせ食べずに剥がすので可食部がきれいならオッケー

↓このキャベツの外葉をむいて重さを計ったのがこちら

こちら約1.1kg
こちら約1.1kg

↓割ってみると中はこんな感じでやはりちょっと緩めですが、今、スーパーに並んでるキャベツってこれくらいの巻き具合でした(今年はキャベツが不作で高い)

無肥料栽培だとこの辺りが壁になってくる感じがします。
無肥料栽培だとこの辺りが壁になってくる感じがします。

こんな感じで外葉を取った状態で1kg前後になりそうな株が40株中13株。

小さめだけどちゃんと結球してるのが14株。

ほぼ結球してない、あるいは虫食いが酷いのが13株でした。

私の場合、畑に植えた後は極力手間を掛けずに出来るかを実験していてこの割合なので、もっとしっかり管理をすれば良いキャベツの割合は増やせる手応えはあります。

(来年は7割が1kg超えるのを目標にしっかり手入れしてみます)

ファームインタープリター/自然農YouTuber

愛知県西尾市にて自然農を実践してます。 農を切り口にして自然の面白さや大切さを伝える情報発信や体験イベントも行い、 農の楽しさを伝える『ファームインタープリター』を自称してます。 『野菜を売らない百姓』でもあり、 売らなくても良いからこそ自然農にまつわる色々な実験や研究をやって その様子をYouTubeにて発信しています。

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