あなたの問題を【10分の1】に減らす! ~「問題思考」「解決思考」の違い~【横山塾】
■あなたの人生は「問題」だらけか?
「それは原因のひとつになり得るだけ。問題ではない」
「その解決策をとっていないことが問題ではない。それは問題モドキだ」
ここ1年ほど、セミナーや講演でずっと言い続けていることがある。私のセミナーに参加した人なら、一度は聴いたことがあるだろう。それが以下のフレーズだ。
「問題でもないことを、問題だ、問題だ、と騒ぎ立てている経営者や役員が多すぎる。もちろんそんな会社の生産性は、非常に低い」
これは会社だけでなく、個人でもそうだ。
問題でもないことを「問題だ」と言っている人は、よほど問題が好きらしい。日ごろから問題ばかりを探している。世間話でも、
「A部長、どうですか。最近?」
「いやあ、問題だらけですよ」
なんて口にする。
具体的な問題が頭にあるわけでもないのに、口癖のように「問題だらけ」「問題が山積み」と言ってしまう。これは完全に思考プログラムの問題だ。
このような思考で生きていると、本来「複雑」ではないことを「複雑」で「込み入った問題」と捉えることだろう。
ビジネスにおいても、ふだん生活している中でも、解決しない問題に直面しつづけ、悩み多き人生を送ることになる。
いっぽう本質を見極め、問題を正しく「問題だ」と捉えられる人は、物事をありのままにシンプルに捉える。
こういう思考だと、ビジネスにおいても、ふだん生活している中でもストレスを蓄積させない。困ったことはあるかもしれない。気になることは多いかもしれない。しかし、それが問題なのかどうかを見極めることができる。だから心は平穏だ。悩みが限りなく少なくなるからだ。
問題ばかりに焦点を合わせている人が組織にいると、「Win-Win」ではなく「Lose-Lose」になる。
本人はよかれと思って問題提起しただろう。だが、組織にとってはいい迷惑だ。「勘違い野郎」とか「ありがた迷惑な人」と言われないようにしたい。
今回は、いつも問題に焦点を合わせている「問題思考」と、解決に焦点を合わせている「解決思考」を対比し、どのように思考を変えていけるかを解説する。
■「問題思考」と「解決思考」
まず言葉の定義を整理する。本来、問題でもないことを「問題だ」と認識する傾向のある思考を「問題思考」と呼ぶ。
この「問題思考」を持っている限り、人生に平穏は訪れないだろう。常にビジネスではトラブルに巻き込まれ「問題が山積している」「どの問題から片づけたらいいかわからない」と、いつも頭を抱えていることになる。
悩みが多いのは当然だ。問題でもないことを「問題だ」と思い込んでいるわけだから。本人が思い込んでいる問題は減っていかない。問題ではないから、解決しようがないからだ。
つまり、最初は【10】の問題が【20】に増え、【30】に増え、いずれ【100】になっていく。その「問題だ」と捉えていることが自然発生的になくならない限り、
【10】 → 【20】 → 【30】 → 【50】 → 【70】 → 【100】 → 【120】 → 【160】 → 【200】 → 【260】……
と、このようにずっと増え続けることになる。いずれキャパシティオーバーで、
「もうやってられない!」
と嘆き悲しむことになるだろう。
いっぽうで「解決思考」の人は、正しく問題を捉える。だからそもそも抱える問題の量が極端に少ない。最初は【2】だった問題が、【3】や【4】に増えることはある。しかしその問題は徐々に解決されていくから減っていく。なので、
【0】 → 【2】 → 【3】 → 【4】 → 【3】 → 【1】 → 【0】 → 【2】 ……
このように推移する。だからいつも冷静だ。冷静だからこそ、頭が整理できる。本質を捉えられるし、本当の問題かどうかの判別もできる。これほどまでに差が出てくると、さすがに驚くことだろう。
特に、経営者や組織リーダーは、日ごろから多くの「問題モドキ」を抱える。だからこそ、この取捨選択が必要だ。
それでは、具体的にどうすればいいのだろうか。
■「真の問題」と「問題モドキ」の区別
まずは、本当の問題を「問題」。問題でもないのに問題のように思えるものを「問題モドキ」として定義して解説していこう。
まず真の「問題」とは何か? これは簡単だ。
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