いちごフェア最前線1
フェアの中でも人気が高い、いちごフェア
レストランではフェアが盛んに行われています。
夏のハワイフェアや北海道フェア、秋の芋・栗・南瓜フェア、冬のチョコレートフェアなど、季節によってだいたい定番が決まっています。
どれも人気フェアですが、その中でも特に人気があるのは、春先から行われる、いちごフェアです。
ホテルのレストランでは必ずいちごを使ったメニューが宣伝されています。パティスリーではいちごを使ったスイーツを全面に押し出したりしています。
2007年にNHK放送文化研究所で行われた「好きな果実」というアンケートや、2012年に朝日新聞で行われた「いちばん好きな果物」というアンケートでは、いちごが1位を獲得しました。
このように、日本人はいちごがとても好きです。日本人が好きないちごを使ったフェアが行われるのは納得いくことでしょう。
ホテルが率先してフェアを行う
ヒルトン東京やホテルニューオータニなどホテルが先駆けて、2000年代半ばから、いちごフェアを積極的に行うようになりました。
背景としては、この頃から、ホテルに大きな変動があったことが大きいでしょう。
2005年にはマンダリンオンオリエンタル東京が、2007年にはザ・リッツ・カールトン東京やザ・ペニンシュラ東京が東京に進出してきました。こういった外資系ホテルの参入に備えて、多くのホテルでレストランをリノベーションしたのです。
宴会やブライダルに頼るのではなく、B&B(ベッド&ブレックファスト)の原点に立ち返りました。レストラン単体で採算を取れるようにするため、レストランを訪れる客のリピート率を高めようとしました。
客のリピート率を高めるために、積極的にフェアを行って、定期的に足を運んでもらうようにしたのです。
いちごフェアの進化
もちろん、レストランの世界において、旬の食材を使うことは当然のことです。
ですが、それをモチーフにして前面に押し出して、フェアを立てるようになったのは割と最近のことになります。
これまではいちごフェアといっても、ただ単にいちごを使っているだけ、といったことが多かったです。ですが、いちごを使ったメニューがあるのは当たり前となっている今、頭一つ抜きんでるためにはさらに特別なことをしなければなりません。
ハウスウェディングで一世を風靡したベストブライダル系列の「リストランテ マンジャーレ」(いちごフェア最前線2)では、イタリアンのコースに白いちごやアイベリーなど7種類のいちごの食べ比べを組み込みました。
ヒルトン東京では女性で初めてシェフパティシエになった坂倉加奈子氏が腕を奮う「マーブルラウンジ」(いちごフェア最前線3)で、1日12000個ものいちごを使うという、非常に贅沢なデザートブッフェを行っています。
カリスマパティシエ中島眞介氏がいるホテルニューオータニの「SATSUKI」(いちごフェア最前線4)では、博多あまおうをふんだんに使った贅沢なパフェを提供しています。
いちごフェアのこれから
いちごの品種で最も有名な栃木県のとちおとめを知らない人はいないでしょう。1996年に生まれたブランドで、生産量が日本一です。どこのスーパーにも置いてあります。
とちおとめを有する栃木県ですら、福岡県のあまおうに負けていられないと、贈答用に向けて新品種のスカイベリーを開発して、さらなる向上を目指しています。
いちご自体はどんどん進化していきます。これからのいちごフェアは、いちごの品種の魅力をより引き出していかなければならないかも知れません。