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この冬10度目の寒波はあすまで、週末から春が急発進へ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
都内のカンヒザクラ(写真:つのだよしお/アフロ)

”爆弾低気圧”は遠ざかる

実況天気図(気象庁)
実況天気図(気象庁)

24時間で最大40hPa以上も急発達し、北海道を中心に見通しの利かない猛吹雪をもたらした”爆弾低気圧”は、北海道のはるか東へ遠ざかりました。

低気圧の発達がピークとなっていたおととい21日(月)午後3時には、北日本だけで等圧線が約10本もかかっている状態でしたが、きょう23日(水)午前3時には約5本と半分に減り、30メートルを超えるような最大瞬間風速も観測されなくなりました。一時、広範囲に出されていた暴風や暴風雪、波浪の警報は全て解除となっています。

この冬10度目の寒波はあすまで

上空の寒気予想(ウェザーマップ)
上空の寒気予想(ウェザーマップ)

”爆弾低気圧”は遠ざかりましたが、この冬10度目の強烈な寒波はまだ日本付近に居座っており、こちらはこの冬の寒波の中でも長期滞在型となっています。

この寒波の影響で、きょう23日(水)午前8時までの72時間降雪量は、新潟県津南で157センチ、湯沢で140センチ、長野県野沢温泉で126センチ、岐阜県白川で104センチなど、北陸地方を中心に100センチを超えました。

この豪雪により、新潟県津南では、きょう午前6時の積雪が407センチに達し、16年ぶりの400センチ超えとなりました。

北陸地方の大雪は峠を越えつつありますが、強烈な寒波(上空1500メートルで約-9度以下)はあす24日(木)まで居座るため、新潟県を中心とした北陸地方では、さらなる大雪に注意が必要です。

ただこの長期滞在型の寒波は、あさって25日(金)から26日(土)には一気に弱まり、この冬幾度となくやってきた強烈寒波に当面終止符が打たれることとなりそうです。

東京都心は近年まれにみる寒い2月

東京都心の気温の変化(気象庁発表に筆者加工あり)
東京都心の気温の変化(気象庁発表に筆者加工あり)

東京都心は新年明けてから、きのう22日(火)まで、まだ15度以上の暖かいと呼べる日が1日もなく、15度以上の初出現日としては、近年では2012年2月24日、2011年2月25日、2003年3月3日などに次ぐ遅さとなっています。

また2月に入り、きょう23日(水)まで、ずっと最低気温が3度未満となっており、こちらは1984年と並んで、2月1日からの3度未満の連続記録としては、38年ぶりの記録となっています。

今年は週末の26日(土)頃まで3度未満が予想されており、1977年の24日までの記録や1968年の26日までの記録を抜き、1963年の2月全てで3度未満という記録に迫るかもしれません。それくらい今年の2月は近年まれにみる冷え込みの継続している2月だと言えそうです。

週末から一気に春へ

16日間予報の気温(ウェザーマップ)
16日間予報の気温(ウェザーマップ)

ところがこの冬10度目の寒波が抜ける週末以降は一転して気温が上昇し、急速に春がやってきます。

26日(土)朝は冷えますが、日中は南風が吹いて、遅ればせながら今年初めて15度以上まで上がる予想です。その後もやや冷える日はあるものの、3月上旬にかけて、連日15度前のポカポカな春日和が続く予想です。

ただ暖かさとともに、花粉の本格的な飛散(大飛散)が突然やってくるかもしれませんから、花粉症の方は要注意です。また雪解けが一気に進む可能性がありますので、なだれや屋根からの落雪には一層の注意が必要となりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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