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都内は来週末から『花粉の大飛散』が始まるおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
スギ花粉(写真:イメージマート)

寒い中、都内でも飛散開始の発表

スギ花粉の飛散状況(東京都福祉保健局より)
スギ花粉の飛散状況(東京都福祉保健局より)

上図は東京都福祉保健局が発表している都内のスギ花粉の飛散状況です。

厳しい寒さで花粉の飛散が遅れていたのですが、大田区の観測で15日(火)、16日(水)と、2日連続で1個以上の花粉を観測し、15日(火)が今年の都内における花粉の飛散開始日となりました。なお飛散開始日とは1個以上の花粉を2日以上連続で観測した初日と定義されています。

大田区以外でも花粉の飛散開始は目前とみられますが、まだまだ寒さが続きますので、しばらくはそれほど多くなることはないでしょう。

ところが来週末以降は一気に気温が上昇し、急速に春が到来する見込みで、これに合わせるように都内の花粉は激増するおそれがあります。

また九州の一部ではやや多い飛散となっている所もありますが、関東以西も都内と同じような傾向で、来週末以降、冬の寒さが終わるとともに一気に花粉が激増し、あっという間に1週間から10日程度でピークに突入するものと思われます。

花粉症の方は来週末以降、花粉の飛散状況に十分な注意が必要です。

強烈寒気の流れ込みはあと1週間程度で終息へ

寒気と暖気の予想(ウェザーマップ)
寒気と暖気の予想(ウェザーマップ)

2月に入って西日本では寒さの緩む日も多くなっていますが、東京はほとんど暖かい日がなく、朝はずっと0度前後、日中は上がっても11度台という日が続いています。

この寒さをもたらしている上空の寒気ですが、来週の半ばにもかなり強烈な冬将軍が到来し、上空1500メートル付近で-12度のラインが関東地方まで南下する予想です。これは平年より10度前後も低く、通常は北海道付近にある寒気ですから、来週にかけても厳しい寒さが続くことが予想されます。

ところが来週の週末にはこの寒気が一気に退散し、南から暖かな空気が西日本を中心に流れ込んでくる予想です。

その先の数値予報による計算をみても、もう継続して寒気が流れ込む様子はなく、どうやら厳冬から暖春へ一気にかじが切られることになりそうです。

気象庁1か月予報でも顕著な激変ぶり

気象庁発表の1か月予報をウェザーマップが作成
気象庁発表の1か月予報をウェザーマップが作成

気象庁がきのう17日(木)に発表した1か月予報でも、まさに同様の傾向となっています。

第1週目となる来週25日(金)までは全国青一色で、低温傾向が鮮明となっていますが、第2週目となる来週末から3月4日(金)にかけては激変し、全国ほぼ赤一色で、一気に高温傾向へと移り変わる予想です。

1週間の傾向がここまで異なるのはあまりないかもしれません。

東京は15度以上続出で花粉も激増へ

東京の予想最高気温(ウェザーマップ)
東京の予想最高気温(ウェザーマップ)

東京都心は2月になってもほとんど暖かい日がなく、まだ今年になって15度以上の日は1日もありません。

近年で最高気温15度以上の初出現日が2月の後半以降にずれ込んだのは、2012年2月24日、2011年2月25日などとなっており、2003年は3月3日と3月までずれ込みました。

すでに10年ぶりに遅い15度以上の初出現日となっているのですが、東京都心の最高気温も来週の週末以降、一転する予想です。

25日(金)には13度まで上がり、26日(土)には遅ればせながら今年初めて15度まで上がる予想で、その後もズラリと15度から16度の3月下旬から4月上旬並みの暖かさが続く見込みです。まさに厳冬から急速に春がやってくる格好です。

寒さで遅れがちだった花粉の飛散もこの暖かさにより一気に始まるものとみられ、まさに激増、猛烈な飛散が始まってもおかしくありません。おそらく、あっという間に1週間から10日程度でピークに突入するものと思われます。

東京都福祉保健局が発表した都内の花粉の飛散量は、昨春の1.5倍、例年(過去10年平均)の1.1倍程度となる見込みで、来週末から予想される花粉の激増に早めに備えていただきたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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