まんまるで可愛い京都の老舗、鶴屋吉信さんの「柏餅」珍しく上品な道明寺製の柏餅はあっさりとした食べ口
先日、買い物ついでの世間話にてゴールデンウィークの予定の話題からこどもの日、更に柏餅の話題になりまして。給食で出てきた、という思い出もあれば、味噌餡が美味しいよね、コンビニの冷蔵スイーツコーナーにもあってびっくりした、などまぁ次から次へと枝分かれをしていきましてね。
そこでふと私が「桜餅みたいな道明寺の柏餅も京都にあって、それも独特で美味しいんですよね。」と口にしたところ、どうやらピンとこない様子…こちらをご覧なさっている皆さんはいかがでしょうか?
江戸時代より暖簾を掲げている京都の和菓子屋さんには「五亀二鶴」といわれる老舗がありまして、その中のひとつ創業1803年の「鶴屋吉信」さんは京都のみならず都内の瀟洒なエリアや百貨店でお店を展開しており、比較的入手しやすい道明寺製の柏餅をお作りになっています。今回は鶴屋吉信さんの「柏餅」のこし餡、粒餡をご紹介。
一般的な上新粉のお餅で餡を包んだ柏餅にはお味噌を合わせた味噌餡のものもご用意されているところが多いのですが(甘い白味噌は京都の食文化のひとつですしね)、こちらはこし餡と粒餡でのご用意。柏の葉の色で区別をしています。
そっと柏の葉をめくると、道明寺特有の透明感を纏いほんのり青みを帯びた球体の道明寺が姿を現します。くれぐれもそっと捲ってくださいね、お餅に穴が開いてしまいますので。
こし餡はひと噛みでお餅の中から溢れ出し、粘り気のある道明寺を覆うように混ざり合い口の中を満たしていきます。シンプルに食べやすい甘味は安定感がありますね。
かたや粒餡は、ちょっと意外でして皮のしゃきしゃきとした食感や豆のほっくりとした質感をしっかりと感じられどことなく素朴な印象。こし餡のように溢れ出すわけではなく、まずは数回噛みしめて道明寺そのものの旨味や甘味を堪能し、徐々に滋味深い粒餡の甘味と混ざり合っていきます。どちらもほろほろと粒がほどけていくような感覚が珍しいかもしれません。
柏の葉は桜とはまた異なる青々しい爽やかな香りを楽しむことができます。その涼香を仄かに宿した道明寺をぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<鶴屋吉信・本店>
公式サイト(外部リンク)
京都府京都市上京区今出川通堀川西入る
075-441-0105
9時~18時
定休日 水曜