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成功は技術である!読みやすく実践しやすい目標達成ツール「はじめての目標達成ノート」(原田隆史)を読む

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 予定管理やタスク管理と並ぶ、手帳の利用目的の1つに「目標の達成」があります。

 その目標の達成をタイトルに掲げているのが、今回紹介する『はじめての目標達成ノート』(原田隆史 ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。

 一部の方はご存じかも知れませんが、この著者こそ、原田メソッドとして有名な目標達成のための方法を独自に体系化。過去に著作やそれを応用したワークブックをベストセラーにしてきた著者です。

 また、本文中でも、同書が『夢を絶対に実現させる60日間ワークブック』のアップデート版であることがうたわれています。

 さてでは、どんなワークブックなのでしょうか。以下に具体的に見てみましょう。

オビをとったところ。ノート然としている
オビをとったところ。ノート然としている

座学と記入フォーマットを段階的に繰り返す

 本書の巻頭で著者は、「成功は技術である」と名言しています。
 そしてそのためには、考えていることを文字に書き起こすことだとも。
 具体的な方法として、本書は以下の構成になっています。

 まず座学として「TRAINING」があります。これは見開きで1テーマです。
 たとえば「目標のレベルを実感しよう」というタイトルで、目標設定の実際についての基本的な考え方が解説されます。そして次の「WORK」は「適切なレベルの目標を考える」です。ここには目標を5つのステップで記入するフォーマットが用意されています。

 まず座学部分を読み、その考え方を理解します。その上で、自分が考えているそのテーマについての課題を書きます。

 ここでは「適切なレベルの目標」を、「数値目標」「夢のような目標」「確実に達成できる目標」などの5つのステップに分解して書いていくのです。

 そのことで、座学を自分の事例に落とし込みながら段階的に理解。また、記入することで自分がそのステップについて何をどう考えているかが可視化されます。その可視化されたものをもとに、次のステップを書いていくわけです。

 たんに頭の中だけで考えているのとは違う、着実かつ簡単な方法だと言えます。

 第1章ではこうやって9つのTRAININGを読んでWORK部分に記入します。

 それをまとめるのが第2章の「一ヶ月間目標設定用紙」です。これは、第1章で記入した各項目に関することをまとめるための記入フォーマットです。

 ここに記入することで自分の課題、目標設定について一目で分かるのです。

日誌ページに設定されたさりげない工夫

 さらに第3章は日誌のページです。毎日の予定、日々の必ずやるべきこと、自己効力感、自己肯定感のそれぞれについてのメモ欄など、かなり細かく記入できるようになっています。

 特筆すべきは、記入欄が「前日に記入」「当日に記入」の2つの種別で色分けされていることです。前者の項目名には濃い緑の地紋、後者の項目名には薄い緑の地紋が敷いてあります。たとえば予定は、「前日に記入」です。その日について前日までに必ず書くべきだと明示されているのです。

日誌のページ。濃い緑の地紋は前日に記入。薄い緑の地紋は当日に記入することが指示されている。画期的と言うべき工夫
日誌のページ。濃い緑の地紋は前日に記入。薄い緑の地紋は当日に記入することが指示されている。画期的と言うべき工夫

 『はじめての目標達成ノート』は、書籍という形ではありますが、記入すべきところがたくさんあります。まさに“ワークブック”というべきです。

 今回は、読むという趣旨での説明でしたが、これは実践して始めて分かることがいろいろあると感じました。

 気になったかは是非読んでみて、そして記入してみてください。

※この記事は、当該書籍をディスカヴァー・トゥエンティワンからご提供いただいて、制作しています。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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