相鉄・東急直通線 新横浜駅3月18日開業 「朝の新幹線接続」で新大阪が近くなる?
来年3月18日のダイヤ改正では、相鉄・東急直通線の開業が大きな目玉の一つになっている。その相鉄・東急直通線では、新横浜で東海道新幹線と接続する。従来、東急や相鉄沿線からの新横浜へのアクセスはJRなどへの乗り換えが必要だった。
新横浜は、駅ができた当初は「こだま」しか停車しない駅だったが、1976年には「ひかり」が停まるようになり、1992年には「のぞみ」も停車するようになった。2008年には全ての新幹線が停車するようになった。
もともとは新幹線の駅があるだけだった新横浜だが、いまでは横浜市内の一大交通拠点となっている。
そんな新横浜が、相鉄・東急直通線の開業でさらに便利になっていく。
相鉄・東急の新幹線対応列車は?
相鉄・東急直通線の新幹線接続といっても、東海道新幹線は本数が多いので、始発時間帯に限って紹介する。
新横浜からは、朝6時00分発の「ひかり」533号が、広島に向けて発車する。新大阪は8時13分着、広島は9時56分着だ。なお、新幹線は朝6時前には営業運転できないことになっている。
この列車に接続できるかが、相鉄や東急の新ダイヤでは重要になってくる。
相鉄では、平日はかしわ台5時00分発の各停が5時30分に新横浜着(湘南台5時00分発の各停から二俣川で乗り換えができる)、海老名5時14分発の特急が5時40分に新横浜着、海老名5時18分発の快速なら西谷で乗り換え、5時56分に新横浜着となっている。土休日は、海老名5時14分発の特急が5時39分に新横浜着(この列車は湘南台5時00分発の接続を二俣川と西谷で受ける)、湘南台5時30分発の各停が5時59分に新横浜着(この列車は海老名5時20分発の接続を二俣川と西谷で受ける)といった列車が新横浜に6時前に到着する。ただし、当然5時56分着や5時59分着の列車では6時00分発の新幹線乗り換えは厳しい。
東急では、目黒線系統は奥沢4時58分発が新横浜5時16分着、目黒5時00分発が新横浜5時30分着、目黒5時07分発が新横浜5時36分着、溜池山王5時03分発が新横浜5時44分で新幹線に乗り換えられる(すべて各停)。東横線系統では、渋谷5時23分発の急行が新横浜に5時48分に到着する。
もちろん、ふだんの時間帯は新横浜経由の列車も多いので、東急線や相鉄線からのアクセスは便利になることは間違いない。ただ、新幹線の始発に合わせてダイヤを考えているということは紹介しておきたい。
相鉄・東急直通線の新横浜駅は地下深く、地上に上がるまでに時間がかかるので、そのあたりは注意が必要だ。
JR東海がわざわざ「のぞみ」を増発
今回の相鉄・東急直通線の新横浜開業で注目すべきなのは、新横浜発で最速で新大阪に着く列車を設定したことだ。始発「ひかり」6時00分発の直後、6時03分に「のぞみ」491号を走らせる。土曜日や月曜日を中心に運転する。名古屋には7時18分、京都には7時52分、新大阪には8時06分と、「ひかり」よりも早く到着する。始発「ひかり」は静岡に停車するので、そこで追い抜くのだろう。新大阪着は現行ダイヤよりも1分遅くなっている。
次いで品川6時00分発の「のぞみ」99号が新横浜6時11分発、東京6時00分発の「のぞみ」1号が6時18分発となっている。相鉄・東急直通線の列車からこれらの列車に乗り換えることで、これらの路線沿線利用者がより新幹線を便利に利用できるようになっている。その一方で、JR東海は臨時列車ではありながらも、最速達タイプの「のぞみ」新大阪行きを設定した。
相鉄と東急を中心に、首都圏の通勤輸送だけにかかわるプロジェクトかと思ったら、JR東海の協力により、新大阪までの速達性も確保されるようになった。
相鉄や東急が新幹線のダイヤに合わせて始発時間帯の列車を設定するいっぽう、JR東海はそれに対応する速達型列車を臨時で設定し、新大阪まで早く行きたいという利用者の気持ちを理解するような列車を設定した。
新横浜発の「ひかり」533号は俊足列車として知られており、新横浜には現在は8時12分に着く(改正後は8時13分)。新神戸までは後続の「のぞみ」よりも早く着き、おそらく姫路で追い抜かれる。
その俊足列車よりも、さらに速い列車を臨時とはいえ早朝に設定し、東急や相鉄からの利用者をより速く名古屋・京都・新大阪まで届けられるようにJR東海は配慮した。
JR東海もまた、相鉄・東急直通線をビジネスチャンスだととらえ、その方面からの利用者増に期待している証左だろう。そのことがわかるのが、臨時「のぞみ」の設定である。
高まる新横浜の拠点性、その中でいっそう鉄道が便利になり、新横浜をハブに相鉄や東急のネットワークは西へと大きく連絡できるようになる。