【永久保存版】ロジカル・ライティング集中講座 ~わかりやすい文章を、すばやく書く27の技術
もっとわかりやすい文章を、速く書けないものか?
最近、企画書や報告書を書く機会が増えた。新しい業界のお客様と付き合うため、さまざまな説明資料を作ってばかりいる。マーケティング目的で、ブログやメルマガ、SNSで文章を書くこともある。
しかし、ライティング技術など習ったことがない。どう書いたらいいかわからないし、書けたとしても時間がかかる。
そんな悩みを抱えているあなた――!
今回は、スピーディにわかりやすい文章を書ける「ロジカル・ライティング」について徹底的に解説する。
・何から書き始めたらいいかわからない
・書いている最中で、何を書きたいのかよくわからなくなる
・文章を書く時間が長い
・書いたとしても、自分の文章に納得がいくことが少ない
・書いた文章に対する反応が薄い
こういう悩みはすべて解消できるので、ぜひ最後まで読んでもらいたい(7000字超)。
(※最後まで読むと、このイントロダクションのカラクリが理解できる)
リスキリングは「横山塾」――。
<目次>
■ロジカル・ライティング6つの用語とテクニック
・デザイン
・パラグラフ
・トピックセンテンス
・サポートセンテンス
・接続詞
ロジカル・ライティングでよく使う接続詞
その他ストーリーライティング等でよく使う接続詞
・センテンス
わかりやすくするために――主語と述語の距離
リアリティを出すために――固有名詞と数字
■トピックセンテンス3つのスタイルと読まれる表現
・○○は~であるべき(理想)
・○○は~である(状況)
・○○は~すべきである(提案)
■パラグラフのデザイン(設計図)を2つのスタイルから選ぶ
・「Why So」スタイル(なぜそうなの?)
理由タイプ
事例タイプ
・「So What」スタイル(だから何?)
並列タイプ
直接タイプ
■イントロダクション(導入部)4つのパターン
・ストーリー型
・結論ファースト型
・問題煽り型
・キャッチコピー型
■ロジカル・ライティング6つの用語とテクニック
まずは6つの用語を覚えよう。
●デザイン
デザインとは文章の設計図である。
設計図がないと読み手が迷う。ひどい場合は、途中で読むのをやめてしまう。美術館や図書館もそうだ。道順がおかしければ迷うし、途中で館を出たくなる。だから文章を書く時もまずは設計図が必要だ。
デザインパターンは文章の目的に沿って選ぼう。文章のデザインパターンは数えきれないほどあり、それらパターンだけ眺めていると迷う。それに、目的に合わないデザインパターンを選ぶとわかりづらい構造になってしまう。
論文なら「序論・本論・結論」。ストーリー性を重視するなら「起承転結」「序破急」。比較的短い説明文なら「CRF」「PREP」。提案したいなら「TAPS」。このように、まずは目的をハッキリさせてからパターンを決めよう。
文章の配分は「2:6:2」だ。
もしデザインパターンを「序論・本論・結論」や「序破急」など3構造にするなら、文章の配分は「2:6:2」を意識する。「4:3:3」「1:4:5」などにすべきではない。
4分割でも「2:4:2:2」「2:3:3:2」にするなどバランスを考えよう。文章量の配分を間違えると「廊下がやたらと長い家」「ロビーがとても狭い高級ホテル」のようになってしまう。デザインパターンごとに配分をあらかじめ決めておこう。
(今回はロジカル・ライティングなので、「3つの手順」の通りに書くだけでよい)
●パラグラフ
パラグラフとはトピックセンテンスを中心とした文章の塊だ。具体的には、トピックセンテンスと、トピックセンテンスを補助するサポートセンテンスで成り立っている。
パラグラフと段落は似ているようで異なる。以下に記す。
・パラグラフ=意味のまとまり。「意味段落」とも呼ばれる
・段落=読みやすくするための文章のまとまり
ロジカル・ライティングするのに意識すべきはパラグラフである。段落は最後の仕上げのときにだけ意識すればいい。「文章の見た目」を整えることが目的だからだ。
●トピックセンテンス
トピックセンテンスとは、書き手の主張やメッセージである(詳しくは後述する)
トピックセンテンスは以下2つのケースがある。
・パラグラフの冒頭に来るケース
トピックセンテンスは、パラグラフの冒頭に登場するのが基本だ。これは「ピラミッドストラクチャー型」の文章構造だ。
まず結論を書き、次に結論に対する根拠を漏れなくダブりなく書く。さらにその根拠の詳細やエピソードを書いていく。パラグラフの文章量が多くならないよう気を付けなければならないが、結論+根拠の流れはわかりやすい。
・パラグラフの最後に来るケース
トピックセンテンスはパラグラフの冒頭に登場するのが基本だが、最後に配置したほうがわかりやすいケースもある。前のパラグラフとの流れを考えた場合、そのほうが読みやすいケースがあるからだ。
日本語は述語をセンテンスの最後に置くのが普通なので、最後にしたほうが読みやすいと感じたほうを選ぶ。
・トピックセンテンスは見出しに使えない理由
トピックセンテンスは基本的に「見出し」には使えない。
見出しとは、いわばキャッチコピーのようなものだ。論文ならともかく、コラムやニュース、ブログの記事を書くなら、見出しは読み手を惹きつける魅惑的なものでなければならない。
トピックセンテンスはパラグラフの要約のようなものだから、見出しに使ってしまうと、パラグラフを読まなくても意味がわかってしまう。だからトピックセンテンスは見出しに使えないし、使うべきではない。
●サポートセンテンス
トピックセンテンスを補助するのがサポートセンテンスの役割だ。書き手の主張を裏付ける根拠や事実、事例、たとえを書く。気を付けるべき点は、サポートセンテンスに熱中してはいけないということ。トピックセンテンスよりも目立つと、書き手の主張が伝わりにくくなる。
●接続詞
接続詞は、センテンスとセンテンスを連結する役割をする。パラグラフとパラグラフを連結するときにも使える。
接続詞は最初から挿入しておかない。トピックセンテンスとサポートセンテンスを書いてから、どのように文を繋ぐかを考えて接続詞を選ぶほうがいい。
接続詞の代わりに指示詞を使ってもいい。指示詞とは「あの」「その」「この」や「あれ」「それ」「これ」などだ。同じ接続詞を使っていると、読み手が飽きてくる。その飽きた気持ちを回避するためにも、あえて指示詞を使うことも考えていい。
次に、代表的な接続詞を紹介しよう。
○ロジカル・ライティングでよく使う接続詞
・理屈づける(だから、したがって、それゆえ)
・理由を上げる(なぜなら、というのは)
・例を出す(たとえば、実際、事実)
・順序立てる(まず、第一に、最初に、次に、最後に)
・ダメ押しして結論づける(このように、要するに、結局、とにかく、やはり)
○その他ストーリーライティング等でよく使う接続詞
・何となくつなぐ(そして、それに、それで)
・言い換えて説明する(つまり、すなわち、あるいは)
・付け加える(また、さらに、そのうえ、それから、かつ)
・異議を唱える(しかし、だが、ところが、なお、とはいえ)
・比較、対比する(いっぽう、むしろ、それどころか、反面、それに対して)
・強調して区別する(とくに、まして、そもそも、とりわけ)
・話題を転換する(さて、ところで、では)
・配慮して譲歩する(もちろん……だが、たしかに……だが)
※ロジカル・ライティングするとき、これらの接続詞を使いたくなったら、文章の流れが悪くなっている可能性があるので気を付けよう
●センテンス
○わかりやすくするために――主語と述語の距離
わかりやすい文を書く基本は、主語と述語の距離を近くすることだ。主語と述語の間に形容詞や副詞がいくつも挿入されていると、わかりづらくなる。とくに文と化した形容詞節、副詞節が入ると、読み手が迷子になりやすい。いったん文を分けたほうがわかりやすくなるだろう。
○リアリティを出すために――固有名詞と数字
トピックセンテンスは書き手の主張や意見を書く。最も重要なセンテンスの一つであるから主語と述語は近いほうがいい。しかし短すぎる文だと詳細がわからない。だからサポートセンテンスで補うのだ。このサポートセンテンスには積極的に固有名詞や数字を使おう。そのほうがリアリティ、臨場感のある文になるからだ。
■トピックセンテンス3つのスタイルと読まれる表現
まずはパラグラフの冒頭に書くトピックセンテンスのスタイルを決める。トピックセンテンスのスタイルは3種類ある。(問題解決手順「What・Where・Why・How」で表現する)
①●●は~であるべき(理想)
・切り口 → 何(What) 目的、意義、価値観など
・例:「もっと組織運営を効率的にすべきである」
②●●は~である(状況)
・切り口 → どこ(Where)問題の箇所
・例:「2つの部署で総会議時間が規定を超えている」
・切り口 → なぜ(Why) 原因、理由
・例:「会議が長くなるのは進行する人がよく喋るからだ」
③●●は~すべきである(提案)
・切り口 → どのように(How) 提案、宣言
・例:「会議は30分で終わらせるべきである」
次に、どのようなトピックセンテンスにすると「読まれる表現」になるのだろうか。3つの例を紹介しよう。
①意外性
・なぜ(Why)
・例:「会議が長くなる意外な理由は●●だった」
・どこ(Where)
・例:「会議が長くなる意外な時間帯があった!」
②新奇性
・どのように(How)
・例:「スタートアップ企業の会議はこんなに新しい!」
・例:「アバターを使った30分会議4つの特徴」
③共感
・なぜ(Why)
・例:「長い会議が好きな人ほどよく喋る」
■パラグラフのデザイン(設計図)を2つのスタイルから選ぶ
トピックセンテンスのスタイルが決まっても、まだ書き始めてはいけない。パラグラフのデザインをまず決めよう。
デザインスタイルは2種類ある。
●「Why So」スタイル(なぜそうなの?)
ほとんどのパラグラフは「Why So」スタイルになる。書き手の主張(トピックセンテンス)を伝える「説明のため」の文章だからだ。
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