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箱根駅伝で青山学院の選手を妨害した中国人インフルエンサー 中国内でも批判が起こる #専門家のまとめ

中島恵ジャーナリスト
(写真:アフロ)

1月2日と3日に行われた第101回箱根駅伝。今年は青山学院大学が優勝したが、往路5区の山登りで、青学の若林宏樹選手の走行中、車道内に入り、すぐ後ろを追いかけるように走り、動画を撮影した中国人インフルエンサーがSNSなどで物議を醸している。中国のウェイボーでは約470万人ものフォロワーを持つ人気インフルエンサーの沈烏賊が仲間らとともにやったことだが、中国のSNSでも批判が起こっている。

ココがポイント

箱根駅伝の往路で、中国のインフルエンサーが大会が禁止しているコース内に侵入し、その後謝罪していたことが4日、分かった。
出典:デイリースポーツ online 2025/1/5(日)

「大変危険ですので、沿道を走らないようにお願いします」とマイクで警告したにもかかわらず、それを無視して走り続けた。
出典:中島恵 2025/1/5(日)

中国メディア「捜狐体育」は「危険!箱根駅伝で沈烏賊の伴走動画が話題に。何よりも優先すべきは安全」とする記事を掲載。
出典:THE ANSWER スポーツ文化・育成&総合ニュース・コラム 2025/1/6(月)

エキスパートの補足・見解

一報があったのは1月4日。青山学院大学の若林選手の後方に、突然、中国人インフルエンサーが追いかけるように走って車道に入り、動画を撮っていたことがSNSで拡散された。事件を起こした沈烏賊はSNSで「ランニングを愛する皆様に心よりお詫びします」と謝罪したものの、日本国内では「あまりに危険すぎる」「ルール違反だ」との批判が沸き起こっていた。

その後、スポーツメディアを中心に報道されたが、中国メディア「捜狐体育」もこの件について言及。「彼は走り抜ける若林宏樹の姿を記録し、その動画を歌のメロディーとともに配信。瞬く間に注目を集めた。(中略)彼は関係者や選手と何度もぶつかりそうになり、レースの安全を巡って議論を引き起こした。安全が優先されるべきことは言うまでもない」と批判。一般の中国人からも「恥ずかしい」「海外まで行って中国人の恥をさらすな」といった声が上がった。

中国ではここ数年、健康ブームでマラソンやランニングの愛好者やファンが増えており、伝統ある日本の箱根駅伝に対する興味や関心が高まっている。中国のネット上では、中国語の字幕をつけて生中継を見るサイトまであり、隠れファンも多い。

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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