スペースXの巨大宇宙船「スターシップ」3月14日(木)に3度目の打ち上げに挑戦
スペースXは、開発中の新型巨大宇宙船「スターシップ」を3月14日に打ち上げる計画であることを発表しました。
3度目となる今回の挑戦ですが、1、2度目の打ち上げでは残念ながら空中で指令破壊をするに至ったスターシップについて、本記事ではそれらの軌跡を追っていきます。
■スターシップってどんな宇宙船?
スターシップは、スペースXが開発中の大型宇宙船です。このスターシップは、打ち上げロケットであるスーパーヘビーと組み合わせることで、全長120m,直径9m、という超巨大な宇宙船になります。これまで開発されたロケットの中で最も全高の高い組立式ロケットであり、アポロ計画で使われた「サターンVロケット」の全長110.6mを上回る程です。大きさでいうと、ギザのピラミッドや、牛久大仏くらいです。そしてなんと、地球低軌道には100tonもの荷物を持っていくことができることや、もしくは100人の乗客を運ぶことができます。
■2023年4月、初めてとなるスターシップの打ち上げ!
2023年4月には、1回目となるスターシップの打ち上げが行われています。離陸には成功したのですが、ブースターの切り離しに失敗、残念ながら打ち上げ4分後には地上からの指令で上空にて破壊されています。
その原因として、ブースターの推進剤が漏れたことにより火災が発生し、制御不能に陥ってしまったと考えられています。そして、ロケットの姿勢を制御するシステムにも影響を与えたため、コントロールが効かず機体は回転を起こしてしまいました。
散々な結果となったように見えますが、マスク氏にとっては期待を上回る成果だったとのことです。ロケットは超音速に達し、飛行データやタンクの加圧データなど、たくさんのデータの取得に成功しました。
■2回目の打ち上げでは宇宙まで到達成功!しかし直後に爆発!?
そして2023年11月、遂に2度目の打ち上げ試験が実施されます。
スーパーヘビーによる点火は成功!ぐんぐんと上昇していき、無事にスターシップが切り離されます。スターシップは地上から150kmまで到達、一般的に高度100kmから宇宙と言われていますので、スターシップは宇宙に達することに成功したのです。
しかし、ここで問題が発生。スターシップとの通信が途絶え、自動飛行停止システムが作動してしまいます。またしても上空にて爆発という結果となってしまったのです。更に、スターシップを切り離してメキシコ湾に着水するはずであったスーパーヘビーも、下降中に爆発しています。
しかし、ミッションの完全成功には完全に至らなかったまでも、1回目に比べれば大きな前進を見せた打ち上げとなりました。
そして今回、過去の2回の打ち上げで得られた知見をもとに、燃料タンクや推進薬の廃棄機能の改良などの対策を施しており、初の軌道上飛行試験の成功に向けた準備を着々と進めています。
早ければ日本時間で3月14日(木)21時頃の打ち上げとなる見込みです。皆さんで成功を祈りましょう。
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