【認知症の人にしてはいけないこと】タブー6選。介護福祉士が漫画でわかりやすく理由を解説
↓YouTubeで、音声付きの解説動画を見られます。
認知症介護の経験者なら誰でも感じたことのある、あの『イラッ』とする瞬間。
つい、やってはいけないことをしてしまいがちです。
20年近く介護のプロとして働いてきた、わたしも例外ではありません。
今回は、そんな【認知症介護のタブー6選】をご紹介します。
1. 怒鳴る、叱る
記憶障害のある認知症の人は、その場の出来事をすぐに忘れてしまいます。
しかし不思議なことに、感情の記憶だけは残りやすいのです。
強く叱られても『なぜ叱られたのか』、その内容はすっかり忘れてしまいます。
でも、叱られて嫌な思いをした記憶だけは、しっかりと残ってしまいます。
ですから、怒鳴ったり、叱ったりすることは、逆効果に終わることが多いのです。
叱られた方は、嫌な思い出だけが残り、叱った方は自責の念に苛まれることになりがちです。
2. 間違いを指摘・否定する
認知症が進行するにしたがい、適切な判断力が低下していきます。
時折り場違いな行動をしてしまうのは、そのせいでしょう。
決して本人は悪気があってしているのではありません。
その都度間違いを指摘されても、自分では解決できないことがほとんどなので、困ってしまいます。
自尊心が傷つき、悲しい気持ちになると「どうせ、何をやってもダメ」と感じて、どんどん意欲が低下していきます。
3. 命令、強制する
人は感情的になって命令するとき、高圧的な態度になりがちです。
どんな人でも、上から目線で強く言われると、反感を持つか、委縮するかのどちらかです。
その後の自発的な行動も減っていきます。
4. 子ども扱いする
認知能力が低下しても、心は決して子どもではありません。
赤ちゃん言葉で、子ども扱いをされてうれしい人は少ないでしょう。
「この人に何を言っても無駄」と、固く心を閉ざしてしまうかもしれません。
5. 行動を制限する、せかす
認知症に限らず、高齢になると体力の低下に伴って、どうしても行動が遅くなってしまいます。
誰でも自分のペースを乱されると、いい気持ちはしません。
介護に必要なのは、時間と心の余裕です。
前もって段取りを工夫して、急がなくてもいい環境を作ることも、介護技術の大切な要素の一つです。
6. 役割を取り上げる
介護者の立場で考えると、確かに「全部自分でやってしまうほうが、早く済んで楽」なのです。
でも反対に介護される立場で考えると、自分の役割がなくなるというのは寂しいことですね。
「何もできない」と言われた自分に引け目を感じたり、役割がなくなることで、脳への刺激も減って認知症が進行する恐れもあります。
認知症になっても、できることはたくさんあります。
その人ができることを活かせる、環境づくりも大切ですね。
まとめ
認知症介護のタブー6選は、いかがでしたか。
認知症に限らず、高齢者への対応全般として考えるべきこともありましたね。
かくいうわたしも、介護のプロとしてまだまだ修行の身です。反省の毎日です。
しかし相手を気遣うあまり、自分が萎縮してしまう、そんな卑屈な介護者の姿勢にも違和感があります。
『自分も相手も同じように大切にする』
介護に限らず、人の生き方として考えていきたいことですね。