地元高校生おすすめ 日本初の「国産パン」が誕生した世界遺産に近い場所
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
今回は地元の高校生がおすすめする、穴場スポットを訪ねてみました。
世界遺産・韮山反射炉
佐渡より一足早く、2015年に世界遺産に登録された韮山(にらやま)反射炉。伊豆半島の付け根の山間部にあたり、修善寺の少し北にあります。
幕末、江戸や日本を防衛するために、江戸の台場(砲台)とともに、鉄の大砲を生産するために計画された施設です。
選定当初は、新聞の1面にも掲載され多く人で賑わいました。
現在、訪問客は非常に少なく、土日祝日を中心に運転されていたバスも廃止。
伊豆長岡駅から、タクシーか徒歩(30分)、またはレンタサイクルで向かう形になり、近隣の伊豆長岡温泉とともに、くつろげる穴場となっています。
韮山反射炉以上の穴場が「江川邸」
韮山反射炉以上の穴場が近隣の「江川邸」。
レンタサイクルの場合、観光地とは思えない山道を通ります。後述しますが、反射炉の立地に山地が選ばれたのには、意味があります。
伊豆半島中央の山々に囲まれた所に、ドンッと立派な門と屋敷がお出迎え。その屋敷は江川邸。ここには江戸時代、伊豆を管理していた江川氏が住んでいました。(文:静岡県の商業高校に通う髙橋君)
江川氏は伊豆の代官。現在でいう市長のような役回りでした。
その江川氏の第36代目江川英龍(ひでたつ)。実は彼はパン祖と呼ばれる人物で、日本で初めてパンを作った方です。(文:静岡県の商業高校に通う髙橋君)
パンは、当初ポルトガル人により鉄砲とともに伝来したとされますが、鎖国で廃れ出島にてオランダ商人向けに細々と焼かれていたのみ(山崎製パン)。初の日本人向けの国産のパンは、伊豆で作られたのです。
元祖パンが買えるのは2か所だけ
江川邸では、先ほどの江川英龍が作ったパンが再現され、売られています。約180年前のパンは現在とまったく違い、新感覚を味わえます。(文:静岡県の商業高校に通う髙橋君)
元祖のパンは、「パン祖のパン」の名前で、江川邸と韮山反射炉隣接の売店で販売されています。なお江川邸は、水曜定休で16時15分には閉まります。
江川英龍のパンは、軍の携帯食を想定していたため、かなり固め。パン祖のパンやカノンパンは、当時の製法を忠実に再現しています。
カノンパンはとても固く、狙った場所で上手く折れないほどです。しかし、スナック菓子のような香ばしさがあり、案外食べやすい味。1度は食べてみたい味です。
ここでしか食べられない昔のパンをぜひ食べに来てください。(文:静岡県の商業高校に通う髙橋君)
「いずっぱこ」の名で親しまれる伊豆箱根鉄道
韮山反射炉の最寄り伊豆長岡駅へは、三島駅から、いずっぱこの愛称で親しまれる伊豆箱根鉄道で向かいます。
伊豆の東海岸を走る伊豆急に比べると、地元利用が多く地味な存在ですが、車窓両側に縦長の山が続き、徐々に間隔が狭まり、そのどん詰まりが修善寺温泉。地形的にも面白い場所です。
鉄の大砲はもともとは南伊豆の下田で製造するはずでしたが、下田にペリー艦隊が上陸したため、建設中の反射炉は、山の陰に隠れる韮山に移されたのです。
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