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沖縄の梅雨入りで今年も大雨期の始まりに、さらに太平洋には気になる熱帯擾乱が発生する気配も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

沖縄は記録的な大雨を伴っての梅雨入りに

24時間降水量(ウェザーマップ)
24時間降水量(ウェザーマップ)

きょう21日(火)午前11時、気象庁から沖縄地方と奄美地方が梅雨入りしたとみられると発表がありました。沖縄地方は平年より11日遅く、また奄美地方は平年より9日遅い梅雨入りで、沖縄地方は1951年以降の統計開始以来、5番目に遅い梅雨入りとなりました。(速報値)

そして梅雨入りに合わせるように、きょう21日(火)未明から明け方にかけて、宮古島で猛烈な雨が降り、宮古空港では1時間に100.0ミリの雨量を伴って、6時間に258.0ミリの大雨となり、また宮古島でも6時間に250.0ミリの大雨が降り、ともに観測史上1位の大雨となりました。

沖縄はあす22日(水)にかけても雷を伴った非常に激しい雨が降るおそれがあり、その後も大雨の降りやすい状態が続きそうです。それは次々と際立った暖湿流が流れ込むからです。

際立った暖湿流が南シナ海から次々と沖縄へ

暖湿流の様子(ウェザーマップ)
暖湿流の様子(ウェザーマップ)

上図は、暖かな空気と湿った空気の両方を足したような暖湿流の状況です。南シナ海には345K以上の暖湿流が広がっていて、これが梅雨前線に沿うように沖縄地方に流れ込んできています。この345K以上の暖湿流は、宮古島で降ったような猛烈な雨をもたらすポテンシャルがあり、本州付近の梅雨末期時にも大雨をもたらすような際立った危険な暖湿流といえます。

この345K以上の暖湿流が今後も南シナ海から沖縄地方に次々と流れ込む計算となっていて、今年も沖縄地方からいよいよ大雨期(出水期)が始まった状況といえます。この暖湿流がこの先、時折、本州付近にも流れ込むこととなり、本州付近でも来週から再来週にかけて、本格的な雨のシーズンを迎える所が出てきそうです。

熱帯擾乱が発生し、フィリピンの東を北上も?

アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ)
アンサンブル予報の一部抜粋(ウェザーマップ)

タイトル画像にあるように、沖縄付近の梅雨前線の雨雲とは異なり、日本のはるか南の海上で雲域がまとまりかけています(赤丸の中)。気象庁の予想では、今後この雲域は低圧部へと姿を変える見込みです。低圧部とは雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)で、中心付近が推定されるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。

日本のアンサンブル予報をみると、この熱帯擾乱は、週末から週明けにかけて、やや発達しながらフィリピンの東から沖縄の南方へ北上する計算もあり、今後、台風1号へ発達するかどうかなども含めて、注目されます。(関連記事

来週は本州付近も梅雨の走り?それとも本番?

10日間予報(ウェザーマップ)
10日間予報(ウェザーマップ)

上図はウェザーマップが発表している10日間予報です。きょう21日(火)、梅雨入りの発表があった沖縄や奄美地方は、この先も断続的に雨が降る見込みです。また鹿児島もあさって23日(木)以降、断続的に雨が降る見込みで、早ければ梅雨入りの発表があるかもしれません。

また四国から関東にかけては、週末まで雲が多いながらも晴れ間の広がる日が多い予想ですが、来週は雨の降る日が多い予想となっています。関東以西の梅雨入り平年日はおおむね6月上旬で、まだ平年よりは1週間程度以上早めとなりますので、おそらく梅雨の走りということになろうかと思いますが、再来週にかけてもすっきりしない天気が続くとなれば、早々と梅雨入りの発表があってもおかしくない時期でもあります。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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