Yahoo!ニュース

【ゴルフ】圧倒的なシェア ゼクシオが売れ続ける理由

野洲明ゴルフ活動家

期待が膨らむゼクシオ12

ダンロップから2021年12月11日に、21世紀の王者ゼクシオが発売される。今回のモデルは12代目、ゼクシオ12(トゥエルブ)だ。

前回の記事ではゼクシオの人気を表すエピソードを紹介した。今回は、ゼクシオが売れ続ける理由について解説する。

<関連記事>
【ゴルフ】21世紀の王者 ゼクシオの人気を表すエピソード(Yahoo!ニュース エキスパート)

スライスしにくいクラブ

ゼクシオの魅力は、所有感を刺激するデザインもあるが、スライスを抑制する設計に成功したことも挙げられる。

フックフェースやアップライトなライ角など、今でこそ認知されているデザインだが、歴史が浅かった頃は独特なものとしてとらえられていた。

しかし、スライス抑制や安定した飛距離を求める多くのゴルファーに結果で応えたことで、支持されてきた。

ゼクシオ12ドライバー
ゼクシオ12ドライバー

こだわったフルチタン

今でこそ盤石の地位を築いているゼクシオだが、過去を振り返ると、幾度となく岐路に立たされている。

例を挙げると3代目の頃、ドライバーのヘッドにチタンだけでなくカーボンも使った複合ヘッドが注目を集めていた。他社の複合ヘッドドライバーが大ヒットしたからだ。

3代目ゼクシオの開発にあたっても、複合ヘッドは候補に挙がった。

しかし、これまで通りのフルチタンを採用。他社の複合ヘッドのモデルに打ち勝ち、認知度を高めていった。

ゼクシオサウンド

複合ヘッドというはやりに流されずにフルチタンにこだわった理由の一つが「音」だ。インパクト時の「ゼクシオサウンド」は、独特の高い音でユーザーの支持を集めていた。

ユーザーに寄り添い、音を大切にしてきたことが、ユーザーを離さないことにつながり、ゼクシオからの買い替えもゼクシオ、というゴルファーの流れを定着させた。

ワールドワイドに進出

ダンロップは世界をみすえ、2007年にアメリカの大手クラブメーカー、クリーブランドを買収した。この時、社長が下記の通りに述べている。

2008年から新しいステージに上がったという見方をしています。もちろんそれはゼクシオを中心にして築いてきた土台の上にあるものだと思っています。

そして、今年、ビッグニュースが飛び込んできた。メジャー通算4勝のブルックス・ケプカがダンロップのスリクソン、クリーブランドのゴルフ用品を使用する契約を結んだのだ。

2007年にダンロップがクリーブランドの買収を完了した日付が12月11日。ゼクシオ12の発売日も12月11日。そして、今年のケプカのチームダンロップ入り。大きなうねりの予感がするのは筆者だけではないはずだ。

ケプカが活躍すれば、スリクソンがより世界に認知される。そうすると、これまでになかった展開がゼクシオにも期待できる。

近い将来、ゼクシオの世界進出が加速するかもしれない。

参考書籍:宮井善一 著 なぜ誰もがゼクシオを買うのか(パーゴルフ新書)

<関連記事>
ダンロップ ゼクシオ12 ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド 試打レビュー(GOLFERS SUPPORT)

ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

野洲明の最近の記事