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2年前のポストシーズンでサヨナラ打2本の外野手がパドレスと契約。登場曲は「スポンジ・ボブ」

宇根夏樹ベースボール・ライター
オスカー・ゴンザレス Oct 8, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 サンディエゴ・パドレスは、オスカー・ゴンザレスとマイナーリーグ契約を交わした。

 ゴンザレスは、来年1月に27歳となる外野手だ。外野のコーナーを守る。2024年は、ニューヨーク・ヤンキースのAAAで78試合に出場し、打率.294と出塁率.333、8本塁打と7盗塁、OPS.802(他にAでリハビリ出場5試合)。ヤンキースの前に在籍したクリーブランド・ガーディアンズでは、2022~23年にメジャーリーグの計145試合で打率.269と出塁率.299、13本塁打と1盗塁、OPS.712を記録している。2021年は、AAとAAAの計121試合で31本のホームランを打った。

 パドレスのセンターとライトには、ジャクソン・メリルフェルナンド・タティースJr.がいる。だが、レフトは確定していない。レフトを守っていたジャリクソン・プロファーは、FAとなった(「年俸100万ドルの選手が24本塁打と出塁率.380を記録し、FAになる。新契約の年俸は10倍以上!?」)。

 現時点のメンバーのまま、開幕を迎えるなら、レフトは、ティーソー・オルナレスブランドン・ロックリッジ、あるいは2人の併用が有力だろう。オルナレスは、2024年に、AAAの128試合で打率.297と.367、23本塁打と7盗塁、OPS.864。ロックリッジは、夏のトレードでヤンキースからパドレスへ移籍し――それまではゴンザレスとチームメイトだった――9月半ばにメジャーデビューする前に、AAAの計104試合で打率.306と出塁率.410、2本塁打と46盗塁、OPS.807を記録した。

 ゴンザレスは、彼らに次ぐ候補の一人、といったところではないだろうか。フリースウィンガーなので、出塁率が低い。また、プロファーとの再契約を含め、これから外野手が加わる可能性は、低くない。

 ただ、ゴンザレスは、ガーディアンズのファンにはよく知られている。「スポンジ・ボブ」の曲とともに、打席へ向かっていたことだけが理由ではない。2年前のワイルドカード・シリーズ第2戦は、0対0の15回裏にホームランを打った。しかも、相手は、かつてインディアンズ(現ガーディアンズ)のエースだったコリー・クルーバーだ。さらに、ディビジョン・シリーズでは、第2戦の10回表に内野安打で勝ち越しの走者を生還させ、第3戦は9回裏に逆転サヨナラ安打を記録した。

 ウォーク・アップ・ソングを「スポンジ・ボブ」とするのかどうかはわからないが、パドレスでも、ファンの記憶に残るかもしれない。なお、昨春のスプリング・トレーニングは、20試合で46打数15安打(打率.326)と好調だったが、自打球が顔面を直撃し、右眼窩を骨折した。こんな形の「インパクト」は、再び起きてほしくない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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