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ドジャースは捕手&外野手のプロスペクトをトレードで放出するのか。AAとAAAの114試合で26本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルトン・ラッシング(ロサンゼルス・ドジャース)Feb 21, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、ロサンゼルス・ドジャースは、サイ・ヤング賞2度のブレイク・スネルを手に入れた(「ドジャースのローテーションには、スネル、グラスナウ、山本、大谷が並ぶが、それでも空きはあと2枠!?」)。今世紀初――ドジャースの球史においても初――のワールドシリーズ連覇に向け、ここからも補強を行うはずだ。FAとの契約だけでなく、トレードによる獲得もあり得る。

 トレードの場合は、交換に放出する選手を必要とする。その筆頭候補は、ダルトン・ラッシングだろう。

 2年前のドラフトで、ラッシングは、2巡目・全体40位指名を受けた。2巡目のトップだ。捕手では、1巡目の2人に次ぐ高順位。また、この年のドジャースは、1巡目の指名権を持っていなかった。ラッシングを最初に指名したということだ。

 ここまでは、順調にステップアップしている。プロ3年目の2024年は、AAとAAAの計114試合で打率.271と出塁率.385、26本塁打、OPS.896を記録した。

 ただ、ドジャースでは、ウィル・スミスがマスクをかぶっている。ドジャースとスミスは、3月下旬に10年1億4000万ドル(2024~33年)の延長契約を交わした。それに加え、今オフ、ドジャースは、控え捕手のオースティン・バーンズの契約についていた、年俸350万ドルの球団オプションを行使した。

 来シーズンの年齢(6月30日時点)は、スミスが30歳、ラッシングは24歳だ。今年の夏以降、ラッシングは、マスクをかぶることが減り、主にレフトを守った。

 2024年にドジャースでレフトを守っていたテオスカー・ヘルナンデスは、FAになっている。ムーキー・ベッツは、ライトから二塁か遊撃へ移る予定だ。けれども、ドジャースは、外野両コーナーのどちらかにラッシングを抜擢するつもりはないと思われる。

 テオスカーとの再契約や、こちらもFAのホアン・ソトとの契約もあり得る。2人とも手に入れることなく、他の外野手も加わらなかったとしても、アンディ・パヘズジェームズ・アウトマンに、内外野を守るクリス・テイラーもいる。センターは、今のところ、トミー・エドマンが有力だ。

 ラッシングは、スラッガーの捕手か外野手になり得る。しかも、メジャーデビューに近いところまできている。欲しがる球団は少なくなく、ドジャースは、ラッシングあるいはラッシングを含む数人を差し出せば、かなりの大物を得ることできるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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