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ドジャースのローテーションには、スネル、グラスナウ、山本、大谷が並ぶが、それでも空きはあと2枠!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレイク・スネル(左)とタイラー・グラスナウ Oct 17, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズンも、ブレイク・スネルは、ナ・リーグ西地区のチームで投げる。2021~23年がサンディエゴ・パドレス、2024年がサンフランシスコ・ジャイアンツ、2025年からはロサンゼルス・ドジャースだ。ちなみに、2020年までは、ア・リーグ東地区のタンパベイ・レイズで投げていた。

 ESPNのジェフ・パッサンらによると、スネルとドジャースは、5年1億8200万ドル(2025~29年)の契約で合意に達したという。スネルは、インスタグラム(snellzilla4)に、ドジャースのユニフォームを着た自身の合成写真を掲載している。

 今オフ、スネルがジャイアンツからFAになった経緯については、こちらで書いた。

「年俸3000万ドルの選手オプションを破棄して再びFAに。今オフこそ大型契約!? 昨年はサイ・ヤング賞」

 ドジャースのローテーションのトップ4には、スネル、タイラー・グラスナウ山本由伸大谷翔平が並ぶ。4人とも、直近のシーズン――大谷が2023年、あとの3人は2024年――に、奪三振率10.50以上と防御率3.50未満を記録している。

 ただ、メジャーリーグにおける彼らの先発登板は、それぞれのシーズン最多を合計しても、100試合に過ぎない。スネルが32試合(2023年)、グラスナウが22試合(2024年)、山本が18試合(2024年)、大谷は28試合(2022年)。レギュラーシーズンは、162試合だ。

 また、直近のシーズンの合計は、3人が2024年に20試合と22試合と18試合、大谷は2023年に23試合なので、計83試合となる。

 大谷は、2024年に投げていないだけでなく、今オフ、左肩の手術を受けた。来シーズンの開幕には、間に合わない可能性もある。山本は、ポストシーズンを含め、どの登板も中5日以上だった。スネルのシーズン30登板以上は、9シーズン中、サイ・ヤング賞を受賞した2018年と2023年の2シーズンだ。130イニング以上のシーズンも、この2度しかない。

 ドジャースは、5人ではなく、6人のローテーションとするつもりではないだろうか。

 現時点における、5人目と6人目の候補には、トニー・ゴンソリンダスティン・メイランドン・ナックジャスティン・ウロブレスキーボビー・ミラー……に、FAのクレイトン・カーショウがいる。これまで、カーショウは、ドジャース一筋に投げてきた。過去3度のオフは、いずれもFAになり、ドジャースと再契約を交わしている。

 また、ポスティング・システムを利用する佐々木朗希(千葉ロッテ・マリーンズ)も、候補になり得る。佐々木の場合、マイナーリーグ契約なので、費用は少なくて済む。来シーズンのローテーションに並ばなくても、球団のリスクは低い。しかも、23歳と若く、早くても2030年のオフまでFAにはならない。数年後のローテーションの一員と考えても、ドジャースに限らず、手に入れる価値はある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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