海上自衛隊の最新鋭もがみ型護衛艦9番艦「なとり」進水 艦名は宮城県の名取川に由来
海上自衛隊の新型3900トン型護衛艦である「もがみ型」9番艦の命名・進水式が6月24日、三菱重工業長崎造船所(長崎市)で行われた。「なとり」と名付けられた。海上幕僚監部広報室によると、艤装(ぎそう)やさまざまな性能試験を経て、2025年度中に就役する予定だ。
艦名は宮城県仙台市と名取市を流れ、太平洋に注ぐ一級河川の「名取川」に由来する。艦名は海上自衛隊内での募集検討を経て、木原稔防衛相が決定した。
この名を受け継いだ日本の艦艇としては、旧海軍の長良型軽巡洋艦3番艦の「名取」に続き、2代目。
「なとり」は2023年7月6日に起工された。建造費は9番艦と10番艦の2隻で合わせて約1028億円。
「もがみ型」は年2隻というかなりのハイペースで建造が進められ、計12隻の建造が計画されている。これまでに1番艦「もがみ(FFM-1)」、2番艦「くまの(FFM-2)」、3番艦「のしろ(FFM-3)」、4番艦「みくま(FFM-4)」、5番艦「やはぎ(FFM-5)」、6番艦「あがの(FFM-6)」が就役し、7番艦「によど(FFM-7)」と8番艦「ゆうべつ(FFM-8)」が進水していた。
●海自護衛艦として初の対機雷戦能力
もがみ型は基準排水量3900トンで、全長133メートル、全幅16.3メートル、最大速力約30ノット。平時の監視警戒といったこれまでの護衛艦運用に加え、有事には対潜戦、対空戦、対水上戦などにも対処できる新艦種の多機能護衛艦(FFM)だ。FFはフリゲートの艦種記号で、これに多目的任務対応(multi-purpose)と機雷戦(mine warfare)を意味するMが加えられた。対機雷戦機能は従来、掃海艦艇が有していたが、もがみ型は護衛艦として初の対機雷戦能力を有する。
●もがみ型は12隻で終了、新型FFMを12隻建造へ
もがみ型は昨年度防衛予算に計上された、令和5(2023)年度計画艦までの計12隻で建造を終了する。防衛省は今年度予算計上の令和6(2024)年度計画艦からは5年間にわたって、もがみ型の能力向上型となる新型FFMを計12隻調達する予定だ。
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