銀行が倒産する時代、どのような金融機関にお金を預けるべきか 証券の保護は?
シンガポール在住FPの花輪陽子です。米国でシリコンバレー銀行(総資産全米16位)、シグネチャー銀行(同29位)が破綻をしたり、欧州ではスイスの最大手である金融機関のUBSが2番手のクレディ・スイス・グループの買収を発表したりと、海外の金融機関に対する不安を持つ人も多いかもしれません。そんな中で、どんな金融機関を選べばよいか解説をしていきます。
まずは、金融機関を大分類して考えてみましょう。
商業銀行(Commercial Bank)は日本でも最も一般的で、預金を集めて企業への融資に回して利ざやを稼ぐことを主要業務とする銀行を指します。
投資銀行(Investment Bank)とは、日本でいう証券会社のことを指します。企業等の債券や株式などの発行業務を引き受けて、別の投資家に販売するフィービジネス、コンサルティングなどが一般的な業務内容です。ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレーなどは投資銀行に該当します。
ユニバーサルバンク(Universal Bank)とは、商業銀行と投資銀行の双方の機能を備えている銀行を指します。欧州では一般的な銀行であり、自己勘定での投資比率も高いという特徴があります。
プライベートバンク(Private Bank)とは、顧客から資金を預かり、それを運用するというビジネスモデルです。スイス系老舗銀行では投資銀行部門を持たない、プライベートバンキングビジネスに特化した生粋のプライベートバンクもあります。例えば、ジュリアス・ベア、ピクテ、ロンバー・オディエなどが挙げられます。
プライベートバンキング業務だけの場合、金融機関側は融資での貸出や自己勘定部門での運用などがないためにリスクが少ない業務だと言えます。しかし、クレディ・スイスなどの金融機関の場合、投資銀行部門などの複数のビジネスをしており、その営業を受けた形になりました。
一般的にプライベートバンキング専門の銀行の場合、預入額も比較的小さいですが、商業銀行や投資銀行を行っている金融機関の場合は数十億や数百億からという場合もあります。まずは金融機関の主要業務は何なのかというところに着目をしましょう。
金融機関が破綻した場合、証券はどうなる?
次に金融機関が破綻した場合、預けているお金はどうなるのでしょうか。
カストディが機関投資家の代理人として、有価証券の保管・管理等を行っています。有価証券の保護預り業務、保管した証券から発生する利子、配当金の受領、売買代金の授受あるいは当該証券に係る各種権利関連情報の伝達等の業務を行います。
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