家で捨てる食材6,990名調査 納豆、豆腐、もやし、パン、キャベツ、レタス…1位は?
2020年9月24日、ハウス食品グループ本社が、2020年7月に実施した「食品ロスに関する第二回アンケート調査」の結果を発表した。対象は10代〜100歳代までの男女6,990名。2019年7月に実施された第一回と比べて、はたして変化はあっただろうか。
2019年と比べて家庭で食品・食材を捨てる人の割合は10%減少
2019年7月(n=6,357)に実施した調査と比べて、2020年7月(n=6,990)に実施した今回の調査では、食品ロスの認知率は90.1%から97.3%へと、より上昇して100%に近づいた。
また、食品・食材を月に1〜2回以上捨ててしまっている人の割合は、2019年の70.4%から61.9%に減少した。
2020年の調査では、家庭での食品ロスが「まったくない」という人が17.1%いた。ほぼ毎日捨てている人から「月1〜2回捨てている」という人まで合わせると61.9%となった。
捨ててしまいがちなのは圧倒的に「野菜」
捨ててしまいがちな食品や食材で最も多いのは、2019年と同様「野菜類」で、57.3%が回答した。次が調味料・油(14.5%)だった。
最近捨ててしまった食品・食材 上位10点
「最近捨ててしまった食品・食材」の1位は、2020年・2019年とも「きゅうり」だった。
考察
農林水産省平成26年度の統計調査と同様に、家庭で捨てられやすい食材は「野菜」であるという結果となった。
ハウス食品グループ本社としては、食品ロス削減推進法の施行(2019年10月)の前後での比較を考えていたのかもしれない。だが、期せずして新型コロナ感染症の拡大が起こった。食品ロスが2019年に比べて減る傾向になったのは、おそらくコロナ禍の影響であろう。
ハウス食品グループ本社の広告統括部・企画制作課の生田幸平さんは、2020年の結果について「外出自粛や在宅テレワークが進んだことで、家庭内での調理・喫食機会が増え、結果として家庭の食品ロスが減少した点は、2019年との比較で特筆すべき点かと考えています」と話した。
きゅうりの活用法
ハウス食品グループ本社は、捨てられやすいきゅうりの活用法として、自社商品(カレールー)を使ったカレーライスを提案している。
筆者は、この夏、きゅうりの半干しというのをやってみた。料理研究家の有元葉子(ようこ)さんが著書で提案しているものである。生で食べるよりも、歯ごたえが増し、しょうゆ・ごま油・酢を混ぜて漬け込んで食べると、ちょっとしたお酒のおつまみや漬物にもなった。
世界各国、コロナ禍で家庭の食品ロスが減る傾向に
これまで記事でイギリス・イタリア・オーストラリア などで、都市封鎖(ロックダウン)により家庭の食品ロスが減る傾向を紹介してきた。ただし、イギリスでは、ロックダウンが解けたら、また増える傾向も報道されているので、今後とも、世界各国の傾向を注意して見ていきたい。
参考資料
「食品ロスについて、聞いてみました」(ハウス食品グループ本社公式サイトより)
家で捨てる食材 6,357名調査 卵、牛乳、納豆、豆腐、パン、もやし…1位は?
イタリア計2,244名の購買行動と食品ロス調査 コロナ禍でどう変わった?SDGs世界レポ(30)
オーストラリア415名購買行動・食品ロス調査報告書 コロナ禍の変化とは?SDGs世界レポ(31)
家で食べ物を捨てる人減った?5,345名調査 日・仏・英・米 家庭の食品ロスの変化