「いつまでもかっこいい先輩でいたい」と語る石川雄洋が「這い上がってくると信じてる」と筒香嘉智にエール
本日、5月20日に行われる横浜DeNAベイスターズ対中日ドラゴンズ戦で、プロ野球選手としての引退セレモニーを控える石川雄洋。
DeNAベイスターズの初代チームキャプテンとして牽引してきた石川はファンにとても愛された選手。球団の功労者でもある石川のセレモニーを多くのファンに届けるために、午後5時頃から球団公式ツイッターと球団公式ユーチューブで無料配信される。
「コロナ禍でも引退セレモニーをしてもらえることを本当に感謝しているし、野球人として最後にファンの前に立って、感謝の気持ちを伝えたい」と石川はセレモニーに向けた意気込みを語る。
「新しいチャレンジが待っているので、切り替える良いチャンスですし、第2の人生をスタートする報告をファンにできる良い機会」と自分の口からアメリカンフットボール挑戦をファンに伝えるつもりだ。
昨オフにベイスターズを自由契約になった時点で、石川は野球選手として海外に挑戦するという選択肢は全く考えなかったという。
「トレーニングでオフにはアメリカに行かせてもらいましたが、アメリカで野球をということは考えませんでした。もしも、世界がコロナになっていなければ、また違ったかもしれませんが、今回は全く考えませんでした」
石川はアメフトを選んだが、アメリカで野球をやるという道を選んだのが、横浜高校とベイスターズの後輩である筒香嘉智。
1年目の昨季はタンパベイ・レイズの一員としてワールドシリーズ出場を果たしたが、今季は早々とレイズから戦力外通告を受け、ロサンゼルス・ドジャースへ移籍した。
今年の春に筒香が渡米する前に一緒にご飯へ行き、「今季にかける強い意気込みを聞いた」と言う石川は、開幕後になかなか調子が上がらない後輩をずっと気にかけていた。
石川の方から連絡することは極力控えていたが、筒香がレイズから戦力外通告を受けたタイミングで、インスタグラムを通して「君ならば乗り越えられる」とエールを送った。
「能力は持っているので、もっとできると僕は信じている。彼からすぐにラインが届いたので、色々と話しました」
「日本で新しいことを始めるのも大変ですが、ゴウの場合はアメリカで新しいチャレンジを始め、今度はドジャースに行くことになった。異国の地でそれだけ環境が大きく変わるのは、僕らには想像もできないことで、彼がストレスに感じているかは分かりませんが、色々と思うところはたくさんあると思う。そういうことにチャレンジできる人は一握りなので、彼の実力があれば、今はあまり成績は良くないかもしれませんが、打破できるはずです。色んな記事も出ていますが、その辺を気にすることなく、ゴウらしく頑張ってもらいたい」
石川が初めて筒香に会ったのは、横浜高校を卒業した筒香がベイスターズに入団した2010年の春季キャンプ。第一印象は「無口で大きな少年」。
「高校の後輩なので、よく一緒にご飯を食べに行ったり、グランドでも一緒にいることが多かった」と言い、「一緒にいた時間が長い分、それなりに心は開いてくれたと思います」と関係を築き上げた。
「ゴウはそんなに喋るのではなく、ニコニコしながら人の話を聞くタイプでした。野球が大好きな野球小僧。常に野球のことを考えているイメージがあります。くだらない話をしていても、最後には真剣に野球の話をしていました」
「すぐに一軍でプレーすると思った」と石川は振り返るが、筒香が一軍に定着したのはプロ入り3年目。キャンプ中に同じ部屋になったこともあり、2人でよく野球の悩みを話した。
「悩んでいるときに、どうすれば活躍できるのかと2人で話すこともあった。辛いこともいっぱい話した」
そこから立ち直って、活躍する姿を近くで見てきた石川だからこそ、今回も筒香がドジャースで活躍できると思っている。
「苦労しているところを知っているので、戦力外になってトレードされても、ここから這い上がってくると僕は信じている」
筒香がドジャースで新しいスタートを切るのとほぼ同じタイミングで、石川はノジマ相模原ライズでアメリカンフットボールに挑戦する。石川のアメフト挑戦は多くのファンに勇気を与えたが、後輩の筒香にも自身がアメフトに挑戦する姿を通して刺激を与えられればと願っている。
「ゴウがメジャーに挑戦するとなったときに、近くにいた存在が異国の地で挑戦する姿を見て、すごいなと思いました。それと僕がアメフトをやるのはちょっと違うとは思うんですけど……。いつまでもかっこいい先輩でいたいので、僕も頑張る。試合に出て、タッチダウンを決めたときには、頑張ればなんとかなることを伝えたい。あいつはすでに頑張っているので、頑張ってとは言えないですけど、お互いに違う道に進むので、スポーツの種類は違っても、切磋琢磨して良い刺激になれれば、僕も頑張りがいがあるし、向こうもそういう僕の姿を見て、少しでもなにかを感じてくれればいいなと思う。もともと口ではなく背中で引っ張るタイプだったので、挑戦する姿を通して、あいつにも勇気を与えられるように頑張るつもりです」
昨オフもワールドシリーズ出場を終えて日本に帰国した筒香とご飯に行った石川は、今年のオフもお互いに笑顔で再会することを楽しみにしている。
筒香が移籍したドジャースは、昨年のワールドシリーズでレイズが敗れた相手であり、今季もワールドチャンピオンの有力候補チーム。2年連続でのワールドシリーズ出場、そしてワールドシリーズ優勝の可能性は高い。
そして、石川がプレーするXリーグは、正月明けに東京ドームで日本一決定戦を行う。
「ゴウは良い成績を残してワールドシリーズで優勝して、こっちは本当に素人なんで、すぐに試合に出られるとは思っていませんけど、東京ドームでの優勝戦に勝って日本一になり、ゴウと一緒に飯を食いに行きたい。それが理想ですね。僕の場合はゼロからのスタートなので、試合に出るのは早い方がいいですけど、そんなに甘い世界でないことも分かっています。しっかりと基礎を学びながら、少しでも早くチームの役に立てる選手になりたい。今年は基礎を学んで終わる1年になる覚悟はしていますけど、最高のイメージだけは持っています」
石川と筒香の2022年の新年会が最高のものになるためにも、お互いにゼロから這い上がり、チームの優勝に貢献する活躍をみせるつもりだ。
取材協力:ノジマ相模原ライズ
石川雄洋 引退セレモニー
実施日:2021年5月20日(木) 中日ドラゴンズ戦
実施時間試合開始前: 17:10頃開始予定
配信媒体:横浜DeNAベイスターズ公式Twitter、横浜DeNAベイスターズ公式YouTube
実施内容:横浜スタジアム内ビジョンでの特別VTR上映や、引退選手のスピーチなどを予定
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