バランスの取れた食事、スマートミール認証制度
■バランスのとれた食事とは、どんな食事なのか
どう食べれば良いのかを考える時に、ほぼ必ず出てくる表現に "バランス良く食べる"や“バランスのとれた食事”があります。
こうした表現の具体的な内容は、意外と人によって考えていることが違うことが多いものです。例えば、たくさんの種類と食品を食べるようにする、定食のように主食、主菜、副菜を揃える、食品の分類が偏らないように食べる、野菜をたくさん食べるなど様々です。
一方でバランス良く食べているつもりなのに、なぜか太る、体調がスッキリしない、疲れがとれない、どう食べていいのかわからないなど、食にまつわる悩みは尽きないものです。
バランスの良い食事は、簡単に言うと、ヒトの身体を保つのに必要だと分かっている栄養素を適量取ることが出来る食事、ということができます。
必要な栄養素と言われても、ひとつの食材には、複数の栄養素が含まれているため、具体的に何をどれくらい食べれば良いのか分かりづらいのが、難しいところです。
■バランスの良い食事の認定制度、スマートミール
その分かりづらい“バランスの良い食事”を献立に落とし込み、外食・中食・事業所給食で実現する認定制度があります。それが「スマートミール」です。スマートミールは、「健康づくりに役立つ栄養バランスのとれた食事のこと。つまり一食の中で、主食・主菜・副菜が揃い、野菜がたっぷり食塩のとり過ぎにも配慮した食事」とされ、具体的な認証基準は厚生労働省の健康局長通知、食事摂取基準、先行研究をふまえ、科学的根拠に基づいて決定されています。認定は、日本栄養改善学会、日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本肥満学会など13の学会からなる「健康な食事・食環境」コンソーシアムが行っています。
この認定制度は2018年から開始され、既に418事業者(2020年8月現在)が認定を受け、全国に認定事業者に広がっています。
認定されたスマートミールを食べることはもちろん、その献立は、私たちが日々の食事でどのように食べたらよいのか、の見本とすることもできます。
■スマートミールの認定基準を日常の食事に生かす
スマートミールの認定基準は、実際の認定のためには、細かく基準が決まっていますが、目安となるパターンが示されており、このパターンが日頃の食事をバランスよく食べるために参考になります。
こうした食事のパターンは、毎食かならずこのように食べなければならないわけではありません。もちろん、毎食、このパターンに近い形で食べることができた方がよいですが、日々の食事は、その日の予定や体調によって変わることが普通です。ですので、こうした食べ方を念頭に2~3日で整えることができるように、コントロールすると良いでしょう。
食事はまず楽しく、美味しく食べることが大切です。そのため、自分の好きな料理のジャンルや食材を楽しみながら、食事のバランスを整えていくのが、健康的な食事を長続きさせるコツと言えます。
■バランスよく食べる機会を増やすために
2020年はコロナ禍で外食の機会が減る一方、飲食店から配達してもらったり、持ち帰って食べることが増えました。食の楽しみの中で〇〇の店の〇〇が食べたい!という、飲食店で提供する食事の楽しみは大きいものです。
こうした飲食店の食事を美味しいだけでなく、できるだけ健康に配慮したものにすることも、バランスのとれた食事を実現する上で大切なことだと言えます。
スマートミールの認証を受けるためには、栄養価計算が必須となるため、いわゆる飲食店が認定を受けるのは、比較的ハードルが高くなってしまう場合が多いのも事実です。
ですが、既に92の外食に分類される事業所がスマートミールに認定されています。外食におけるおいしさの工夫が、健康的な食事のパターンで実現できることはとても意義のあることだと言えます。
スマートミール第5回の認定募集は、2021年1月~2月28日(日)まで行なわれています。申請に無料です。是非、応募されてみてはいかがでしょうか。