アロザレイナを獲得したマリナーズは、外野に続いてどのポジションを補強する!?
7月25日、シアトル・マリナーズは、タンパベイ・レイズからランディ・アロザレイナを獲得し、交換に3人、エイデン・スミスとブロディ・ホプキンス、PTBNL(後日決定選手)を放出した。
アロザレイナは、29歳の外野手だ。過去3シーズンの20-20に続き、今シーズンも、ここまでに15本塁打と16盗塁。今シーズンの打率と出塁率は.211と.318ながら、6月以降の44試合は.284と.397を記録している。
スミスとホプキンスは、20歳の外野手と22歳の右投手だ。昨年のドラフトでマリナーズから4巡目・全体124位と6巡目・全体187位に指名され、今シーズンはAでプレーしていた。
マリナーズは、6月18日の時点で、ア・リーグ西地区2位に並ぶ2チーム、ヒューストン・アストロズとテキサス・レンジャーズに、10.0ゲーム差をつけていた。だが、7月19日に首位から陥落した。現在は、首位のアストロズまで1.0ゲーム差の2位。3位のレンジャーズとの差は1.5ゲームだ。ワイルドカードの3番手とは、3.5ゲーム離れている。
今シーズンのマリナーズは、投高打低が著しい。アロザレイナを加えただけでは、ポストシーズンにたどり着けるかどうかに疑問符がつく。
マリナーズで250打席以上の10人中、出塁率は.315のフリオ・ロドリゲスが最も高く、OPSは.715のカル・ローリーがトップだ。アロザレイナより多くのホームランを打っているのは、20本塁打のローリーしかいない。
しかも、このうちの3人は、現在のアクティブ・ロースターにはいない。7月23日、マリナーズは、タイ・フランスをDFAとし、フリオとJ.P.クロフォードを故障者リストに入れた。彼らのポジションは、一塁、センター、遊撃だ。
フリオの離脱後、センターは、ビクター・ロブレスが守っている。6月上旬に入団後、ロブレスは、61打席に立ち、打率.365と出塁率.441、3本塁打。サンプル数としては少なく、出来すぎの感もあるものの、元トップ・プロスペクトの遅咲きということもあり得なくはない。ロブレスの加入については、こちらで書いた。
◆「地区首位のマリナーズに、ソト以上の有望株だった外野手が加わる。年齢は27歳。メジャーリーグ契約」
一塁と遊撃には、それぞれ、ルーキーのタイラー・ロックリアとユーティリティのディラン・ムーアが起用されている。
例えば、トロント・ブルージェイズの一塁手と遊撃手、ブラディミール・ゲレーロJr.とボー・ビシェットであれば、どちらもマリナーズの需要に合いそうだ。もっとも、ブルージェイズは、彼らを放出しない可能性が高い。2人とも、FAになるのは来オフだ。また、マリナーズは、クロフォードと5年5100万ドル(2022~26年)の契約を交わしているので、ビシェットを手に入れようとはしないだろう。
クロフォードが戻ってくるまでの1ヵ月前後、遊撃はムーアで凌ぎ、一塁には、今オフにFAとなるジョシュ・ベル(マイアミ・マーリンズ)やジャスティン・ターナー(ブルージェイズ)を獲得するのが、現実的な補強のような気がする。