Yahoo!ニュース

てるみくらぶの内定者に対して救いの手

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:アフロ)

てるみくらぶの件、この倒産で被害を受けた旅行者は申込ベースで36000件、最大で99億円の負債となるとのこと。その他に、「既に海外に出国している人は自力で帰れ」とか「破産直前まで『現金一括入金キャンペーン』なる広告を大々的に出して金をかき集めていた」など、なかなか香ばしい話が満載であります。

一方で話題になったのが、この春からてるみくらぶに入社予定だった新卒内定者が約50名もいて、路頭に迷っているというニュース。以下、テレビ朝日からの転載。

「てるみくらぶ」新卒内定者50人「先見えない」破産

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20170328-00000020-ann-soci

破産手続きの開始が決まった旅行会社「てるみくらぶ」が、社員が80人程度しかいないにもかかわらず、50人もの内定者を出していたことが分かりました。てるみくらぶの内定者:「だいたい50人ぐらいはきのうの説明会に来ていたので、(内定者は)50人ぐらいはいます」「(破産について)あと5日後には社会人になるんだという気持ちで準備を進めていたし、そういう思いでいたのでこれから先どうしたらいいのか先が見えない状態で、どうしたらいいのか分からない気持ちでいっぱいでした」

私自身も、まかりなりにも観光業界の端っこに生きている人間として、上記のような状況になってしまった新卒学生の皆様には同情を禁じえないワケですが、一方で未だ就労が始まってもいない内定者が同社に対してなんら債権があるわけでもなく、どうも対処のしようがないわけであります。

そんな中、私の友人の伊藤泰斗氏が事務局長を勤める財団法人宿泊施設活性化機構 (JALF)が、てるみくらぶの内定者の一時的な受け入れを表明しておりますので、ここでご紹介しておきます。以下、同機構のFacebookより。

公告

「てるみくらぶ」をはじめとする内定を取消された学校卒業生の方々へ。

「その身柄、JALFで引き受けます」キャンペーンを行います。

社会貢献の一環として「とりあえず引っ越してしまって困っている」方々も含め、選考を行わず内定を出します。

◆あなたが優秀な方の場合:一生JALFにいてください。

◆あなたがそれほどでも…:数か月、風雨を凌いでください。

ご希望の学卒者の方々は、ダイレクトメッセージをください。

3月31日23:59まで受付いたします。

リンク:https://www.facebook.com/jalf.japan/?hc_ref=PAGES_TIMELINE&fref=nf

同機構によれば「当該条件の学卒生は、無試験無面接で採用する」とのこと。受付は3月31日23:59までとのことですので、該当する方はぜひ一度、ご検討ください。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

木曽崇の最近の記事