レアル・マドリーが「らしさ」を取り戻した夜。クロースのアンカーとカルバハルの内側ポジション。
「らしさ」を取り戻した、夜だった。
レアル・マドリーが、威厳を示した。チャンピオンズリーグ準々決勝でチェルシーと対戦したマドリーだが、ホームのファーストレグで2−0と先勝。セカンドレグに向け、大きなアドバンテージを手にしている。
「チームのパフォーマンスは好ましいものだった。だがベンチからは(周囲から見えているような)簡単なゲームに見えなかった」とはチェルシー戦後のカルロ・アンチェロッティ監督の弁だ。
「あと90分、残っている。今夜のような試合を繰り返さなければいけない。アドバンテージ を守れるようにコントロールするべきだ。フットボールの世界では、何が起きてもおかしくない」
■キックオフ直後のビッグプレー
試合は開始1分で決着がついていたのかもしれない。
キックオフ直後、決定機を迎えたのはチェルシーだった。エンゴロ・カンテのスルーパスに、ジョアン・フェリックスが抜け出す。絶体絶命のピンチはしかし、猛ダッシュで戻ってきたエデル・ミリトンの寄せとGKティボ・クルトゥワのセーブで救われた。
あそこで勝負は決まっていた可能性がある。普通の試合であれば、フェリックスがゴールを決めて、対戦相手が敗れるという展開になる。
だがレアル・マドリーは、レアル・マドリーだった。「マドリーらしさ」が、あのシーンに如実に現れていた。前半の半ばにカリム・ベンゼマが先制点をマークし、後半にマルコ・アセンシオが加点してゲームを決定づけた。
■レアル・マドリーの崩し方
マドリーは【4−3−3】で試合に臨んだ。
対するチェルシーは【5−3−2】だった。前線からプレッシングを行うというのは基本的になく、引いてブロックを形成してマドリー相手に構えた。
そうなると、問題は、マドリーがどのように崩すか、だ。
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