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レアル・マドリーが「らしさ」を取り戻した夜。クロースのアンカーとカルバハルの内側ポジション。

森田泰史スポーツライター
アンカーで起用されたクロース(写真:ロイター/アフロ)

「らしさ」を取り戻した、夜だった。

レアル・マドリーが、威厳を示した。チャンピオンズリーグ準々決勝でチェルシーと対戦したマドリーだが、ホームのファーストレグで2−0と先勝。セカンドレグに向け、大きなアドバンテージを手にしている。

ゴールを喜ぶマドリーの選手たち
ゴールを喜ぶマドリーの選手たち写真:ロイター/アフロ

「チームのパフォーマンスは好ましいものだった。だがベンチからは(周囲から見えているような)簡単なゲームに見えなかった」とはチェルシー戦後のカルロ・アンチェロッティ監督の弁だ。

「あと90分、残っている。今夜のような試合を繰り返さなければいけない。アドバンテージ を守れるようにコントロールするべきだ。フットボールの世界では、何が起きてもおかしくない」

■キックオフ直後のビッグプレー

試合は開始1分で決着がついていたのかもしれない。

キックオフ直後、決定機を迎えたのはチェルシーだった。エンゴロ・カンテのスルーパスに、ジョアン・フェリックスが抜け出す。絶体絶命のピンチはしかし、猛ダッシュで戻ってきたエデル・ミリトンの寄せとGKティボ・クルトゥワのセーブで救われた。

競り合うミリトンとフェリックス
競り合うミリトンとフェリックス写真:ロイター/アフロ

あそこで勝負は決まっていた可能性がある。普通の試合であれば、フェリックスがゴールを決めて、対戦相手が敗れるという展開になる。

だがレアル・マドリーは、レアル・マドリーだった。「マドリーらしさ」が、あのシーンに如実に現れていた。前半の半ばにカリム・ベンゼマが先制点をマークし、後半にマルコ・アセンシオが加点してゲームを決定づけた。

■レアル・マドリーの崩し方

マドリーは【4−3−3】で試合に臨んだ。

対するチェルシーは【5−3−2】だった。前線からプレッシングを行うというのは基本的になく、引いてブロックを形成してマドリー相手に構えた。

そうなると、問題は、マドリーがどのように崩すか、だ。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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