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武骨で濃厚な茶褐色のスープ。その荒々しさの中にも洗練された深みある味わいは、伝統と歴史を繋ぐ一杯。

ラーログ/福岡グルメレポートインスタグラマー/グルメライター

唐津「一光軒」

唐津市の南に位置する、道路沿いにポツンとあるのは「一光軒」。このお店、唐津のみならず佐賀県でみてもナンバーワンとの呼び声も高い。もちろん、いろんな意見はあるかと思いますが、ネット上での評価も非常に高い。
営業時間も11時30分~15時までの3時間半しか営業しておらず、建物もポツポツとしかないこの道沿いで、お店の前だけは車も混雑し多くの人が集まっています。この状況からも、人気の高さが窺えます。

2017年に創業の「一光軒」。佐賀唐津の人気店だった「一竜軒」で修業し味を引継いでいるようです。その「一竜軒」とは、北九州小倉ではじまり唐津に移転。そして唐津の地から佐賀ラーメンのNo.1とまで呼ばれる人気店だったようです。ただ、2016年に惜しまれつつ閉店。その後、この「一光軒」が味を引継ぎ開店。そして、一竜軒があった場所では「竜里」として、また別の方が受継がれているようです。

店内は多くの人で賑わい、営業時間中は人が途絶えることはありません。カウンター席とテーブル席があり、お一人様からご家族連れまで、多くの人に愛されているのが伝わります。メニューはもちろん豚骨ラーメン一本。サイドに白ごはんやおにぎりもあり、店内のケースにはおにぎりが並んでいます。

ラーメン

茶褐色の色合いの豚骨スープは、見るからに濃厚さが伝わってきます。良き豚骨臭というか獣臭というか、ひたすら炊き続けるスープの香りも絶品。まずはその香りに食欲がそそられる。チャーシューが3枚にネギ、そして海苔が一枚トッピングされた佐賀ラーメンのビジュアルです。

やはり佐賀ラーメンでは生卵のトッピングがほしい、ということで追加注文すると、別皿で運ばれてきました。紅ショウガはデフォのようですが、こちらも別皿で。お好みのタイミングで投入できます。

佐賀スタイル

生卵は、まず卵黄のみをトッピングしてみました。これで佐賀スタイルの月見バージョンのできあがり。卵黄は食べ進める中、スープに交えるのではなく、できるだけ麺と絡めるのがおススメ。レンゲの上で卵黄を溶いて、麺を浸して食べると美味しいですよ。残った卵白は、最後に残ったスープと絡めていただきました。

豚骨と鶏ガラを使っているというスープは、武骨で濃厚な仕上がり。表面に浮かぶラード感に、ザラっとした感もある荒々しさも感じる味わい。しかし、最初の口当たりは不思議とあっさりしている。

食べ進めるごとに味に深みを感じ、程よいカエシの味わいの中に骨の旨味がだんだんと伝わってくる。この濃厚で荒々しさもありながら、その中に洗練された何重にも感じる深みある味わい。ただ濃厚では片付けられない不思議な味の深みに惹きこまれていきます。

中細よりも少し太めのストレート麵。この深みある味わいのスープには丁度良いサイズ。ツルっとした食感は、柔めでいただくのが良いかも。スープをしっかりと引き上げ絡めながら、モチモチっと旨味も感じる麺です。

ゆで卵も別メニューでありますね。こちらもお好みの方は多いのではないでしょうか。そして辛子高菜もあります。ただ、この濃厚な深みあるスープにはあまり混ぜ合わせない方が良いかも。少しだけアクセントに麺と一緒にいただいたり、あるいは白ごはんにあわせると良いかもですね。

暖簾に描かれたラーメン専門の文字から力強さを感じます。唐津の地でナンバーワンと呼ばれたラーメンを継承するお店。スープにも力強さと繊細さを兼ね備えた美味い一杯でした。今でも大人気で高評価、佐賀ナンバーワンと言われる所以が食べてわかりました。歴史と伝統を受継ぐ一杯、さすがの一杯です。

一光軒

住所:佐賀県唐津市相知町町切902−1
営業時間:11時30分~15時00分
定休日:日曜日
駐車場:有

インスタグラマー/グルメライター

福岡のラーメンインスタグラマー&グルメブロガー/KBCテレビ「高校生のじかん」出演中/一日一麺をモットーに年間400杯以上のラーメンを食すラーメンマニア/日々孤独に麺活を続ける〈博多のススリスト〉/【 name:Hiroyuki Kikai】/ 福岡の美味しいラーメンを全国に広めたいという思いと、あなたの行きたいお店を見つけるお手伝い。ラーメン以外も、食の宝庫と呼ばれる福岡グルメもご紹介。美味しいメニューをお届けします。ぜひあなたのお店選びのご参考に。instagramもラーログで検索してみてね!

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