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コロナ禍からNYプライドパレード復活!同性婚の元なでしこ選手カップルの姿も

安部かすみニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者
(c) Kasumi Abe

夏の風物詩の1つ「NYCプライドマーチ」が26日、ニューヨークの街に復活した。

毎年6月は、多様性を尊重しLGBTQIA+の人々を祝福するプライド月間だ。NYCプライドが主催する北米最大規模のこのパレードは、1970年以来毎年この時期に行われ、例年数千人規模の参加者があり、人出は200万人以上とされている。しかし、2020年に新型コロナウイルス感染拡大の影響で50年以上の歴史で初めて中止となり、昨年は規模を縮小しバーチャル形式だった。

今年は3年ぶりに通常の大規模パレードが復活となり、参加者はさまざまなフラッグや紙吹雪が舞う中、陽気に舞い踊り、豪華なコスチュームを身に纏って「自分らしく生きること」を表現した。

ちょうど2日前に連邦最高裁判所により、中絶権=人権に関する考え方が根本からひっくり返される判断が示され、衝撃と動揺が全米中を駆け巡ったばかりのタイミングだった。アメリカを大きく揺さぶる議論の1つ、性的少数派の人々の権利や2015年に最高裁により合憲となった同性婚に関しても今後制限されていくのではないかという懸念が高まっており、パレードを行進する人、沿道から見守る人の中には人権、公民権に関するメッセージを掲げた姿も多く見られた。

「自分の体のことは自分の選択ですべき」という、人としての権利を掲げた人。(c) Kasumi Abe
「自分の体のことは自分の選択ですべき」という、人としての権利を掲げた人。(c) Kasumi Abe

パレードには、元なでしこジャパンで現在アメリカ女子サッカーリーグ、NJ/NYゴッサムFCでプレーする横山久美選手カップルが、チームメイトの川澄奈穂美選手と共に参加していた。横山選手は昨年、トランスジェンダーであることをカミングアウトし、交際していた日本人女性とバージニア州で結婚したとSNSで発表している。自身の公表について、「あのまま日本にいたら絶対に公表しなかった」「(本来の自分を隠し続けることは)生きづらくしんどいと思った」「本当にいろんな人がいるというのを知ってもらいたい」と昨年、永里優季選手の告白動画で語っていた。

ほかにもパレード中には、観衆の前でプロポーズをするカップルの姿、「娘たちが成長する次の時代には(権利の)選択肢が増えるように」と訴える女性、反戦を訴えるウクライナ出身の人々など、さまざまな人間模様も垣間見られた。

パレード中にプロポーズが成功し、婚約したばかりのカップル。沿道から大きな拍手が沸き起こった。(c) Kasumi Abe
パレード中にプロポーズが成功し、婚約したばかりのカップル。沿道から大きな拍手が沸き起こった。(c) Kasumi Abe

筆者が日本人だと気づき手を振ってくれたサッカーの横山選手カップル。(c) Kasumi Abe
筆者が日本人だと気づき手を振ってくれたサッカーの横山選手カップル。(c) Kasumi Abe

写真で振り返る「第52回NYプライドマーチ」

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(Text and photos by Kasumi Abe)無断転載禁止

ニューヨーク在住ジャーナリスト、編集者

米国務省外国記者組織所属のジャーナリスト。雑誌、ラジオ、テレビ、オンラインメディアを通し、米最新事情やトレンドを「現地発」で届けている。日本の出版社で雑誌編集者、有名アーティストのインタビュアー、ガイドブック編集長を経て、2002年活動拠点をN.Y.に移す。N.Y.の出版社でシニアエディターとして街ネタ、トレンド、環境・社会問題を取材。日米で計13年半の正社員編集者・記者経験を経て、2014年アメリカで独立。著書「NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ」イカロス出版。福岡県生まれ

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