NHLのレギュラーシーズンが、来月４日（現地時間）に開幕するのに先立って、先週末からプレシーズンゲームがスタート。

　今季からNHLへの加盟が認められ、「17年ぶりの新チーム」となる ベガス ゴールデンナイツも、昨夜カナダに乗り込んで、バンクーバー カナックスとのプレシーズンゲームに臨み、9-4のスコアで勝利しました。

▼新生・ベガス初めての公式戦

　今月13日に配信した記事で紹介したとおり、既にベガスはロサンゼルス キングスとの試合を戦いましたが、その時は若手選手だけによるオープン戦。

　それだけに、昨夜の試合は「新生・ベガス初めての公式戦」 となりましたが、歴史に残る「公式戦初ゴール」を記録したのは、タイラー・ウォン（FW＃80／21歳）でした！

▼NHLデビューへ最高のアピール

　カナダ西部のアルバータ州で生まれたウォンは、多くのNHL選手が巣立ったWHL（ウエスタンホッケーリーグ＝カナダのトップジュニアリーグの一つ）のレスブリッジ ハリケーンズでキャプテンを担うなど、ジュニア時代は、その名を知られたプレーヤー。

　しかし、NHLチームからのドラフト指名はなく、AHL（NHLの一つ下のリーグに相当）のチームとFA契約を結ぶなどして、昇格のチャンスを探し続けてきました。

　そんなウォンが、昨夜は「公式戦初ゴール」を決めただけでなく、さらに２得点して、「新生・ベガス公式戦初めてのハットトリック」も達成！　

　ベガスとの現在の契約は、「AHL（のアフィリエイトチームとの）契約」

　キャンプに参加してはいるものの、「プロフェッショナル トライアウト契約」のため、NHLでのプレーが確約されているわけではありません。

　悲願のNHLデビューへは、氷上でのプレーを評価され、ベガスの戦力だと認めてもらわなくてはならない立場だけに、昨夜のハットトリックは、最高のアピールとなったに違いありません。

▼日系人ルーキーもアピール！

　さらに、この日の試合では、６月のNHLドラフトで1巡目（全体13位）指名を受けた日系人の ニック・スズキ（FW＃17／18歳）も、ゴールを決めました。

　相手チームのGKと１対１になると、巧みなスティックワークを披露して、鮮やかにスコア！

　ドラフト前に受けていた「スピードとスキルを併せ持つCF」という評価をリンク上で実証して、こちらも開幕ロースター入りへ、大きなアピールとなったようです。

▼「鈴木」と「王」のプレーに注目

　新チームのベガスは、６月に開催された「エクスパンション ドラフト」で、各チームから実績のある選手を指名したとはいえ、戦力層の薄さは否めず、ルーキーの活躍は必須。

　それだけに、初めての公式戦でアピールしたウォンやスズキへの期待度は、高まっていきそうです。

　ベガスの躍進へ向けて、日系人ルーキーの「鈴木」と、中国系カナディアンの「王（ウォン）」のプレーが注目されます。

　尚、試合のハイライトをご覧になりたい方は、ホームチームのバンクーバーがアップした下記の動画をどうぞ。