【NHLドラフト】全体1位指名は史上初めてスイス人! スズキとヤマモトも揃って1巡目で指名
未来のスター候補たちが31チームからの指名を待つ「NHLドラフト」が、昨夜(現地時間)シカゴ(イリノイ州)のユナイテッドセンターで始まり、1巡目の指名を終えました。
▼全体1位は史上初めてスイス人
全体1位指名権を持つ ニュージャージー デビルス から指名されたのは、FWのニコ・ヒシァー(FW・18歳)
NHLの公式ドラフト候補選手ランキングでは「2番目(=北米チーム在籍のFW&DF部門)」の評価ながら、イの一番に名前が呼ばれ、会場で見守った家族が涙ぐむシーンも。
昨季はスイスのトップリーグでプレー。今季はカナダのメジャージュニアリーグ(QMJHL)に活躍の場を移して、新人賞に輝いた実績の持ち主とあって、NHLの長い歴史の中で「史上初めて全体1位指名されたスイス人」が誕生したのも納得です。
▼親子揃って1巡目指名
ニュージャージーに続いて、全体2番目の指名権を持つ フィラデルフィア フライヤーズが白羽の矢を立てたのは、ノーラン・パトリック(FW・18歳)
前述した候補選手のランキングでは「1位」に評価されながら、指名は2番目・・・。
しかし、父親のスティーブ(1980年バッファローセイバーズ全体20番目指名)に続く、親子揃っての1巡目指名となりました!
バッファローを皮切りに、ニューヨーク レンジャーズ、ケベック ノルディックス(現コロラド アバランチ)の3チームで、6季にわたってプレーをした父親に、どこまで迫ることができるか !? 今後の飛躍が期待されます。
▼新生・ベガスは3選手を指名!
一方、2日前に「エクスパンションドラフト(=新規加盟に際し既存のチームから一人ずつ選手を選択)に臨んだベガス ゴールデンナイツは、3選手を1巡目に指名しました。
というのも、自チームが所有する「全体6位指名権」に加え、エクスパンションドラフトに先立って、ニューヨークアイランダーズから、「指名が及ばないプロクテクトリストに載せた5人以外のDFも、指名を控えて欲しい」との要求に応じたのと引き換えに、アイランダーズの持つ指名権(全体15位)を得るなどしたことから、1巡目で3選手の指名に至ったのです。
▼スズキがベガス! ヤマモトはエドモントン !!
そのうちの一人が、全体13番目で指名したニック・スズキ(FW・17歳)!
ドラフト前に当サイトで紹介したとおり、スピードとスキルを併せ持つ日系人選手として、指名が有力視されていましたが、べカスのジョージ・マクフィー GMが射止めました。
また同じく指名が有力視される日系人選手として紹介したカイラー・ヤマモト(FW・18歳)は、エドモントン オイラーズが指名!(全体22番目)
チームの発表では、身長173センチ 体重67キロと(NHLでなくても)小柄なヤマモトですが、ジュニアリーグでのプレーをスカウティングし続けたエドモントンは、「素晴らしいスキルと強さを併せ持っていて、我々が本当に欲しかった選手」と高く評価し、1巡目指名に至ったとのこと。
今季のハートトロフィー(レギュラーシーズンMVP)を受賞した コナー・マクデイビッド(FW・20歳)を筆頭に、有力な若手FWが揃うエドモントンで頭角を現すことができるでしょうか?
尚、二人の日系人選手の紹介やプレーシーン(動画)は、当サイトに掲載した
を併せてご覧ください。
▼ロシア人は一人だけ・・・
今季のドラフトで1巡目指名された選手は、このような顔ぶれになりました。
1巡目で指名された31選手の出身国を見ると、
カナダ「12人」フィンランド「6人」アメリカ「5人」スウェーデン「4人」チェコ「2人」ロシア、スイス「各1人」
というように、旧ソ連時代から最大のライバルと呼ばれ続ける「カナダ」と「ロシア」の選手のドラフト1巡目指名は、大きな差が出ました。
しかも、ただ一人、1巡目で指名されたロシア人のクリム・コスティン(セントルイス ブルース)は、最後の最後(31番目)に指名された選手。
しかも、ドラフト当日のトレードで、ピッツバーグペンギンズから得た権利で指名されたとあって、
「もしも、昨季までの30チーム体制だったら?」
「もしも、ドラフト当日のトレードが成立していなかったら?」
ロシア人選手の1巡目指名が、タイトル写真でご覧いただいたシドニー・クロスビーが全体1位指名を受けた2005年以来、12年ぶりに「ゼロ」だったかもしれません !?
ロシアを中心とするKHLで活躍する道を選ぶ選手も多く、またプロ野球のドラフトのように、当たり年と不作の年があるだけに、今季のドラフトでロシア人選手の名前を耳にするシーンは、少ないのでしょうか?
2巡目から7巡目までの指名は、今日 引き続き、ユナイテッドセンターで行われます。