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【NHLドラフト】全体1位指名は史上初めてスイス人! スズキとヤマモトも揃って1巡目で指名

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
2005年にピッツバーグから全体1位指名を受けたシドニー・クロスビー(左)(写真:ロイター/アフロ)

未来のスター候補たちが31チームからの指名を待つNHLドラフトが、昨夜(現地時間)シカゴ(イリノイ州)のユナイテッドセンターで始まり、1巡目の指名を終えました。

▼全体1位は史上初めてスイス人

全体1位指名権を持つ ニュージャージー デビルス から指名されたのは、FWのニコ・ヒシァー(FW・18歳)

NHLの公式ドラフト候補選手ランキングでは「2番目(=北米チーム在籍のFW&DF部門)」の評価ながら、イの一番に名前が呼ばれ、会場で見守った家族が涙ぐむシーンも。

昨季はスイスのトップリーグでプレー。今季はカナダのメジャージュニアリーグ(QMJHL)に活躍の場を移して、新人賞に輝いた実績の持ち主とあって、NHLの長い歴史の中で「史上初めて全体1位指名されたスイス人」が誕生したのも納得です。

▼親子揃って1巡目指名

ニュージャージーに続いて、全体2番目の指名権を持つ フィラデルフィア フライヤーズが白羽の矢を立てたのは、ノーラン・パトリック(FW・18歳)

前述した候補選手のランキングでは「1位」に評価されながら、指名は2番目・・・。

しかし、父親のスティーブ(1980年バッファローセイバーズ全体20番目指名)に続く、親子揃っての1巡目指名となりました!

バッファローを皮切りに、ニューヨーク レンジャーズ、ケベック ノルディックス(現コロラド アバランチ)の3チームで、6季にわたってプレーをした父親に、どこまで迫ることができるか !? 今後の飛躍が期待されます。

▼新生・ベガスは3選手を指名!

一方、2日前に「エクスパンションドラフト(=新規加盟に際し既存のチームから一人ずつ選手を選択)に臨んだベガス ゴールデンナイツは、3選手を1巡目に指名しました。

というのも、自チームが所有する「全体6位指名権」に加え、エクスパンションドラフトに先立って、ニューヨークアイランダーズから、「指名が及ばないプロクテクトリストに載せた5人以外のDFも、指名を控えて欲しい」との要求に応じたのと引き換えに、アイランダーズの持つ指名権(全体15位)を得るなどしたことから、1巡目で3選手の指名に至ったのです。

▼スズキがベガス! ヤマモトはエドモントン !!

そのうちの一人が、全体13番目で指名したニック・スズキ(FW・17歳)!

ドラフト前に当サイトで紹介したとおり、スピードとスキルを併せ持つ日系人選手として、指名が有力視されていましたが、べカスのジョージ・マクフィー GMが射止めました。

また同じく指名が有力視される日系人選手として紹介したカイラー・ヤマモト(FW・18歳)は、エドモントン オイラーズが指名!(全体22番目)

チームの発表では、身長173センチ 体重67キロと(NHLでなくても)小柄なヤマモトですが、ジュニアリーグでのプレーをスカウティングし続けたエドモントンは、「素晴らしいスキルと強さを併せ持っていて、我々が本当に欲しかった選手」と高く評価し、1巡目指名に至ったとのこと。

今季のハートトロフィー(レギュラーシーズンMVP)を受賞した コナー・マクデイビッド(FW・20歳)を筆頭に、有力な若手FWが揃うエドモントンで頭角を現すことができるでしょうか?

尚、二人の日系人選手の紹介やプレーシーン(動画)は、当サイトに掲載した

を併せてご覧ください。

▼ロシア人は一人だけ・・・

今季のドラフトで1巡目指名された選手は、このような顔ぶれになりました。

1巡目で指名された31選手の出身国を見ると、

カナダ「12人」フィンランド「6人」アメリカ「5人」スウェーデン「4人」チェコ「2人」ロシア、スイス「各1人」

というように、旧ソ連時代から最大のライバルと呼ばれ続ける「カナダ」と「ロシア」の選手のドラフト1巡目指名は、大きな差が出ました。

しかも、ただ一人、1巡目で指名されたロシア人のクリム・コスティン(セントルイス ブルース)は、最後の最後(31番目)に指名された選手。

しかも、ドラフト当日のトレードで、ピッツバーグペンギンズから得た権利で指名されたとあって、

「もしも、昨季までの30チーム体制だったら?」

「もしも、ドラフト当日のトレードが成立していなかったら?」

ロシア人選手の1巡目指名が、タイトル写真でご覧いただいたシドニー・クロスビーが全体1位指名を受けた2005年以来、12年ぶりに「ゼロ」だったかもしれません !?

ロシアを中心とするKHLで活躍する道を選ぶ選手も多く、またプロ野球のドラフトのように、当たり年と不作の年があるだけに、今季のドラフトでロシア人選手の名前を耳にするシーンは、少ないのでしょうか?

2巡目から7巡目までの指名は、今日 引き続き、ユナイテッドセンターで行われます。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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