【貧血改善のポイントは、鉄分を摂取するタイミング!】ランナーの貧血対策
読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。
今回は鉄分摂取のポイントについてまとめています。
・短時間で理解・対策ができるようまとめました。
・時間のない方は、黒板だけでもOKです。
では早速いってみましょう!!
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ランナーに貧血が多い原因
貧血とは体内で酸素の運搬をする赤血球が減った状態のことです。貧血になると、酸欠となるためランニングのパフォーマンスが大きく低下します。
ですが男性ランナーの1割弱、女性ランナーの2割弱に貧血の方がいたという調査もあります。どうしてこんなにおおいのでしょうか。
以前は「脚の裏の血管で赤血球が壊される」とか「汗で鉄分を喪失する」とか言われてきました。ですが最近は、体内の鉄の量を調節する調節因子のへプシジンが原因では?と言われています。
へプシジンってなに?
というのも鉄は体に必要ではあるのですが、過剰になると心臓・肝臓に蓄積して毒性を発揮します。しかも、尿や便からはほとんど排泄できません。なので、吸収量を調節する必要があるんです。その調節する役割を担うのが、へプシジンなんです。
ヘプシジンは肝臓でつくられて、腸管からの吸収を抑える働きがあるんです。
貧血のランナーに知って欲しいヘプシジンの変化
そしてランニングをすると、その炎症や溶血(赤血球が壊れることだよ)で、へプシジンが増加してしまうと言われています。なので強い練習をした夜や翌日に鉄分を摂取しても、あまり効果はありません。
そしてランニングとは関係なく、ヘプシジンは朝が一番低く、昼・夕方になると上昇してくるようです。
また抗酸化サプリなどでランニングの炎症をおさえると、へプシジンが上がらなくなりそうなものですが、今のところ上手くいった研究はみられません。
へプシジンの変化を踏まえた鉄分摂取の戦略(例)
貧血の方は、それを踏まえて鉄分を摂取することが必要です。
練習後にレバニラ定食を食べても、効果は低いかもしれません。練習の翌朝に鉄のサプリメントを摂取しても、効果よりも気持ち悪くなるなどの副作用の方が大きいかもしれません。
大会やポイント練習のあとや翌日を避けて、早朝に鉄分の多い食品やサプリメントを摂取するのがよいと思います。
鉄分として何を摂取したらいい?
おすすめは、朝起床時に鉄分を強化した調整乳(普通の牛乳には鉄分が少ないよ)を摂取することです。体重を気にしなければ、ミロを入れてもいいかもしれません。
また牛乳でお腹が不調になる方は、朝食の時にアサリ汁を入れてもいいかもしれません。忙しい方はもちろん鉄の薬やサプリメントでも大丈夫です。
以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています(日比谷ライドのコーチ紹介)。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE)。