創業昭和28年。日本三大八幡を望む老舗屋台。風情を感じながらいただく名物の焼き鳥と無添加ラーメン。
屋台 花山
屋台が名物でもある博多の街。その中でもこれだけ神聖な場所で珍しい屋台はないでしょう。福岡市東区箱崎にある、日本三大八幡宮にも数えられる「筥崎宮」の目の前に佇み、まさに地元のシンボルとして名所のひとつもいえるのが「屋台 花山」。昭和28年創業の、焼き鳥とラーメンが名物の老舗屋台。ただ見てわかるように、2018年にリニューアルし、もはや屋台とは思えない店構え。風情は残しつつも、快適に過ごせる次世代スタイルと言っていいでしょうか。
以前に比べると増築され、2階席もあります。筥崎宮参道の前で煌々と灯りが点り、明るさと賑やかさが一際目立つ屋台。いや、もうお店と言った方がいいでしょうか。屋台の雰囲気はそのままに、日本三大八幡宮を望むロケーションは素晴らしいですね。
中に入ると、コの字のカウンターが2つ。木の梁がそのままに、木造の木の温かみを感じる、まさに屋台です。目の前のネタケースにはたくさんの串が並びます。焼き鳥はもちろん一品料理、そしてラーメンもいただける、博多屋台の王道スタイルを堪能できます。
ラーメン
ラーメンは、自慢の豚骨ラーメン一本です。化学調味料は一切使用していない、いわゆる無添加ラーメンが〈花山のウリ〉です。屋台という限られた立地やスペースの中で、しっかりと豚骨スープを炊いていて、カエシを含めた味付けにも、化調に頼らない昔から貫き通すこだわりです。
茶褐色のスープは、博多豚骨の伝統的な色合いですね。ネギとキクラゲ、チャーシューに海苔も1枚。そしてゴマもふりかけられていますね。王道スタイルながら、トッピングは豪華です。そして丼にも昔ながらの〈雷紋〉が。日本三大八幡宮を望む屋台、ラーメン食べても魔除けの効果があるかもですね。
あっさりとした塩味控えめのスープ。純豚骨でシンプルな味わいは、化調の無駄な味がなく、後味までスッキリです。表面にバリっとラードも効いて、豚骨の風味良く優しさが溢れる味わいです。
中太くらいのストレート麺です。ツルツルっとした口当たりで、優しい味わいのスープとよく絡み、スルスルっといただけます。ほどよいコシのある食感もいい感じで、これは飲んだ〆には最高ですね。
名物「しろ」
花山の名物メニューといわれているのが、数ある焼き鳥メニューの中でも、一番人気の「しろ」。豚の小腸のことで、ホルモンですね。真っ白な見た目から「しろ」と呼ばれるようですが、歯応えのある弾力とじわじわと伝わる旨味が最高です。
焼き鳥は目の前に七輪を置いてくれるので、お酒を飲みながらでも焼きたてがいただけるのが嬉しい。そして燻製メニューもあるのは珍しく、屋台とはいえ、素材にはこだわっており、料理は全て本格派です。
串をいただきながらハイボール、最高ですね。
屋台のカウンターは風情があります。ただ、半分店舗のようになっているので、雰囲気はそのままに、暑さ寒さがなく快適に過ごせるのも花山の魅力ですね。
中洲や天神にある、いわゆる観光名物屋台とはひと味違う佇まいです。
まさに箱崎のシンボルといえる「屋台 花山」ですが、福岡三大祭りでもある「放生会」の期間にはより賑わいます。この花山のある場所から数百の屋台が並び、100万人が訪れるという祭りの期間は、物凄い行列となります。そしてお隣の吉塚である、十日恵比寿の正月大祭の時は箱崎から出張屋台となり、そこでも大人気。ただの屋台ではなく、神社であるお祭りの際には馴染みの「花山」です。
筥崎宮の目の前の通りで、この提灯や幟、そして灯りは見逃すわけはありません。元々は大正時代に1軒のうどん屋台から始まったそうです。そう考えれば100年続く伝統の老舗屋台。そして、これだけ神聖で縁起の良い屋台は、各地を探してもなかなか見つからない、珍しい屋台ではないでしょうか。
焼鳥·ラーメン 花山
住所:福岡県福岡市東区箱崎1丁目44−17
営業時間:火~金 12時00分~14時30分
16時00分~23時00分
土曜日 12時00分~23時00分
日曜日 12時00分~22時30分
定休日:月曜日
アクセス:箱崎宮前駅から徒歩5分
公式HP:yatai-hanayama.co.jp