センスが光るどら焼きはいかが?「ロースト小麦胚芽」入りの皮でいただく、ほんのりモダンな和の味わい
早稲田通りにお店を構える「七里香」さん。和菓子屋さんといえども、カフェやパティスリーが立ち並ぶ街並みに溶け込みつつ、暖簾や木目の温もりを活かした和菓子屋さんらしさも忘れない外観がお洒落なお店です。
「伝統と革新」を掛け合わせた七里香さんの和菓子、特にどら焼きは、ほっとする伝統的な味わいに、ほんのりモダンなおめかしをした「ロースト小麦胚芽入りの皮」が特徴的。
小麦胚芽は、いわゆる種の芽になる部分で、栄養がぎゅっと詰まっている部分。クラッカーやビスケットに使用されることも多い健康食品のひとつです。
今回は七里香さんのロースト小麦胚芽入りの皮を味わうべく、3種類のどら焼きを食べ比べにてご紹介。
まず、皮のお味はといいますと。
香ばしく、表面は目が整いしっとりとした質感はありますが、もちっとした弾力のある力強さすら感じる皮。甘い、ではなく、小麦の香ばしさや素朴な風味が立ち上ります。
七里香さんの、北海道産エリモ種の小豆を使用したあんこと、ロースト小麦胚芽入りの皮をダイレクトに堪能できる「プレーン」。適度な固さとやや甘味を抑えたあんこは、皮の厚みやボリュームに対して少なめかな?と思いきや、むしろこのくらいが丁度いい!ふかふかしていてもぱさついておらず、食感と味わいが活かされています。
ダイス状のアーモンドが散りばめられた「アーモンド」は、良い意味で渋い味わい。いわゆる甘いどら焼きを求めている方には物足りないかもしれませんが、噛むたびに小麦胚芽の香ばしさからアーモンドの香ばしさへ徐々に変化していく流れが、個人的には面白いと思いながら堪能。
次回はちょっぴり甘いカフェオレや抹茶ラテと合わせていただいてみようと思います。
ラムレーズン、バター、そしてホワイトチョコ。この三つを全て受け止めきれるのは、七里香さんのどら焼きの皮だからこそだと実感。あんバターではなく、「ラムレーズンあんバター」というところが重要です。
あんこの味わいも損なわれていない「甘いお菓子」なのですが、口に留まる余韻がラム酒の芳しさと小麦胚芽の薫香なので、ちょっと大人のスイーツをいただいたような印象。果実・ホワイトチョコ・あんこ3種類の甘味にうっとり。
プレーンとラムレーズンあんバターは、どちらも美味しいということは前提として、正反対の印象というのがとっても興味深い対比でした。個人的には、店頭販売や催事を含めプレーンが最も早く完売するというのも納得ですし、小麦胚芽の特性を活かしたラムレーズンあんバターも大声で推したいところです!
こうして食べ比べをしながらお気に入りを見つけるというのも楽しいですよね。お持ち帰りは勿論、お茶と一緒にお店でお召し上がりいただくこともできますよ。
そうそう。
お店の暖簾や商標に描かれている花は「沈丁花」。クチナシ、金木犀と並び三大香木とうたわれるほど、香り高い花。「沈丁花の香りのように、美味しさが七里先、千里先まで届きますように」という願いが込められているそうです。
追い風になって、ぜひこの美味しさと安らぎを、こうして文書にしたためることで、お届けるお手伝いができたらと思います。