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東京ゲームショウ2024は出展数過去最多、来場者数は歴代2位 なぜ盛況? #専門家のまとめ

河嶌太郎ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)
会場に設置された東京ゲームショウ2024のキービジュアル(筆者撮影)

 2024年9月26日(木)から29日(日)の4日間にかけ、千葉市の幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2024」。国内最大規模の「ゲームの祭典」として知られ、毎年多くの来場者が訪れています。

 今年の東京ゲームショウは、出展社数、出展小間数、出展タイトル数のいずれも過去最多を記録しました。また、4日間の総来場者数は24万4739人を記録し、2018年の29万8690人に次ぐ記録となっています。なぜここまでの盛況となったのかまとめました。

ココがポイント

今年の東京ゲームショウは、出展社数、出展小間数、出展タイトル数のいずれも過去最多を記録。出展社数は985社で昨年比1.2倍以上、出展小間数は3,252小間、出展タイトル数は2,850タイトルに達している。国内外からの出展も増加し、国内450社、海外535社と、両方とも過去最高を更新した。
出典:オタク総研 2024/9/27(金)

東京ゲームショウ2024の総来場者数は27万4739人だった。この数字は同イベントとしては歴代2位にあたり、2018年の29万8690人に次ぐものとなっている。
出典:IGN JAPAN 2024/9/30(月)

コロナ禍の制限がある中で開催した2022年(13万8192人)のほぼ倍となり、コロナ禍前の19年(26万2076人)や18年(29万8690人)に匹敵する数字となった。
出典:ITmedia NEWS 2024/9/30(月)

近年は、eスポーツの隆盛や、人気IPとコラボした商品企画や販促施策の活発化により、非ゲーム系企業もゲームとの関わりを深めている。家具大手のニトリやイケア(中略)などが、TGSに出店するのも、もはや珍しいことではない。加えて、TGS自体がビジネス面の機能を強化してきたこともある。その一例が「TGSビジネスマッチングシステム」だ。
出典:日経クロストレンド 2024/9/24(火)

エキスパートの補足・見解

 このように、東京ゲームショウ2024では出展社数などでは過去最多、4日間の総来場者数は過去2番目となりました。かつてはそれこそゲーム開発企業だけが集い、発売前のゲームを試遊するゲームファン向けのイベントだったのですが、近年ではビジネスの商談の場としての側面が増えてきています。

 そのため、例えばMSIといったパソコンのマザーボードメーカーや、東プレといったパソコンキーボードメーカーをはじめとする、パソコン周辺機器企業も積極的に出展しています。また、日経の記事にもある通り、ニトリやイケアといった家具メーカーも出展しています。

 他にも、神奈川県横須賀市や鹿児島県伊佐市など、地方自治体の出展も目立ちます。ゲームメーカーだけでなく、幅広い企業が出展するようになったのが盛況の要因の一つと言えそうです。

 一方で、ゲームメーカーが一斉に顔を揃えているかというと、実はそうではありません。例えば任天堂やその関連企業は、1996年の第1回から表立って出展していません。また今回、CygamesやYostar、HoYoverseなどといった、スマートフォンゲームでは大手のゲームメーカーもブースで出していません。そのため、東京ゲームショウはあくまで家庭用のコンシューマーゲームの祭典という性質が強くなってしまっています。

 こうした垣根が今後打破されれば、東京ゲームショウは確実により盛り上がります。ポテンシャルがまだまだあるだけに、来年以降の広がりにも注目だと思います。

ジャーナリスト(アニメ聖地巡礼・地方創生・エンタメ)

1984年生まれ。千葉県市川市出身。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。「聖地巡礼」と呼ばれる、アニメなどメディアコンテンツを用いた地域振興事例の研究に携わる。近年は「withnews」「AERA dot.」「週刊朝日」「ITmedia」「特選街Web」「乗りものニュース」「アニメ!アニメ!」などウェブ・雑誌で執筆。共著に「コンテンツツーリズム研究」(福村出版)など。コンテンツビジネスから地域振興、アニメ・ゲームなどのポップカルチャー、IT、鉄道など幅広いテーマを扱う。

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