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レッズの赤い彗星が40盗塁に到達する。ホームランは14本。30-80を達成すれば史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)Jun 29, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月29日、エリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)は、3三振を喫したものの、二塁打と三塁打を打ち、二塁打に続いて三盗を決め、シーズン40盗塁に到達した。上の写真は、三盗ではなく、三塁打だ。

 今シーズン、ここまでに30盗塁以上の選手は、デラクルーズしかいない。2番目に多いのは、28盗塁のブライス・トゥラング(ミルウォーキー・ブルワーズ)だ。レッズは、6月29日に83試合目を終えた。レギュラーシーズンは、あと79試合となっている。

 また、デラクルーズは、14本のホームランを打っている。昨シーズン、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)は、41本塁打と73盗塁を記録し、史上初の40-70を達成したが、30-80は、まだ誰も成し遂げていない。

 デラクルーズが30-80に到達するには、これまで以上のハイペースが必要になる。83試合で14本塁打と40盗塁に対し、79試合で16本塁打と40盗塁だ。とはいえ、不可能なペースではないように思える。

 リッキー・ヘンダーソンは、1986年に28本塁打と87盗塁を記録し、30-80まで2本塁打に迫った。リッキーは、その前のシーズンも20-80。1985年は、24本塁打と80盗塁だった。20-80の達成者は、延べ3人。リッキー以外の1人は、1986年に27本塁打と80盗塁のエリック・デービスだ。当時のデービスと同じく、デラクルーズも、レッズで「44」を背負ってプレーしている。

 ちなみに、シーズン80盗塁以上は、1988年の2人が最後だ。リッキーが93盗塁、ビンス・コールマンは81盗塁を記録した。今世紀に入ってからは、2007年に78盗塁のホゼ・レイエスが最も多い。昨シーズンのアクーニャJr.は、2004年に70盗塁のスコット・ポセドニックと2009年に70盗塁のジャコビー・エルズベリーを上回り、レイエスに次ぐ今世紀2位に位置している。

 なお、デラクルーズは、盗塁に加え、三振も両リーグで最も多く、110を数える。こちらの2位は、106三振のノーラン・ゴーマン(セントルイス・カーディナルス)だ。盗塁王&三振王については、今月中旬にこちらで書いた。

「レッズの赤い彗星は、36盗塁だけでなく95三振も最多。このまま、盗塁王&三振王なら史上初!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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